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栄養コラム

小松菜

No.158

2017年2月1日

管理栄養士 田原佳奈

小松菜は東京の小松川地区で育てられたことから小松菜と名付けられた東京発祥の野菜です。小松菜は一年中手に入り、比較的安価で現代の食生活に是非取り入れていただきたい栄養があります。通年栽培されていますが、特に旬の冬は寒さで甘味が増して柔らかくなり、シャキっとした歯ごたえや適度な苦みと辛味が美味しいので、取り入れてみましょう。

小松菜


小松菜に期待される効果

緑色の食品は健康効果が高いことから青汁やグリースムージーなど様々な健康食品に取り入れられています。さらに中国古来の医学でも青(緑)・赤・白・黒・黄の五色のひとつとして、食生活には欠かせない食品です。緑色の色素であるクロロフィルは抗酸化作用のあるカロテノイドと存在し、機能性成分として働きます。また小松菜・キャベツなどのアブラナ科の野菜はイソチオシアネートなどにより、摂取量が多いとがんになりにくいという研究報告も多くあります。


小松菜の特徴

緑色の食品である葉野菜の中でも小松菜の栄養は優れており、現代の食生活で不足しがちな栄養素が補え、手軽に活用できる魅力があります。

【その1】カルシウムが多い小松菜栄養
カルシウムの補給源というと乳製品や小魚などを思い浮かべますが、葉野菜に多く含まれており、小松菜のカルシウムはほうれん草より3倍以上で、葉野菜の中でもトップクラスです。

【その2】鉄分が多い
鉄分もカルシウムと同じく小松菜にとても多く含まれています。さらに小松菜には鉄分の吸収を高めるビタミンCも豊富なため、鉄分を効率的に摂ることができ、貧血傾向の方や鉄分不足になりがちな若い女性にもおすすめです。

≪食品100g中≫

 

カルシウム
(mg)

鉄分
(mg)
ビタミンC
(mg)
小松菜1702.839
ほうれん草492.035
チンゲン菜1101.124
春菊1201.719

                  (日本食品標準成分表2015より)          

【その3】アクが少ない
ほうれん草など葉野菜にはシュウ酸といわれるアクが多く、シュウ酸はカルシウムや鉄分の吸収が阻害される場合がありますが、小松菜にはアクが少ないためカルシウムや鉄分の吸収率が良いことも特徴です。また、生でそのまま食べられたり、加熱してシュウ酸を除く下処理もいらないので、活用しやすいメリットがあります。


調理のポイント

ビタミンCは熱で分解されてしまうため、生で食べたり、さっと加熱する程度にしましょう。また茹でる場合はたっぷりのお湯だと短時間で加熱でき、小松菜の緑色を保つのに有効です。


おすすめの組み合わせ食材

小松菜に多いカルシウムと鉄分をより吸収しやすくするおすすめ食べあわせの組み合わせをご紹介します。

●カルシウムの吸収をよくする
きのこ類・魚類に多く含まれるビタミンDはカルシウム吸収を促進させるなどカルシウムの代謝に関わっています。
●鉄分の吸収をよくする
肉・魚・卵類のたんぱく質は鉄分と結びつくことで鉄を吸収しやすい形にします。


おすすめレシピ

茹でてお浸しで食べることが多いと思いますが、小松菜はアクが少ないのでそのままさっと炒めて使うことができます。また、小松菜の栄養を効果的に利用できる食材を加えることで、成長期の子供から成人、高齢者まで、広くおすすめできる素晴らしいおかずになります。
今回はもう一品追加したいときに簡単に短時間で作れて、またアレンジによってはおつまみにもおすすめのレシピをご紹介します。

●小松菜のさっと炒め

【材料】(2人前)
・小松菜・・・1/2袋(約100g)IMG_0880
・焼鮭(ほぐしたもの)・・・30g(大さじ2杯)
・まいたけ…40g(1/2袋)
・めんつゆ・・・大さじ1
・油・・・大さじ1

【作り方】
1.小松菜は5cm幅にカット、まいたけも適度な大きさに手で割いておきます。
2.フライパンに油を敷き、小松菜の茎部分とまいたけを炒めます。
3.小松菜の葉部分とほぐした鮭を入れてさっと炒め、めんつゆを回しかけます。
4.お皿に盛りつけて完成です。

※焼鮭は鮭フレークでも代用できます。
※味付けはめんつゆに限らず、醤油や塩・こしょうなど台所にある調味料を使ってもよいでしょう。
※おつまみ向けのアレンジとして、トウバンジャンや七味などを追加してピリ辛にしたり、にんにくを加えてごま油で炒めても美味しいです。