7月30日は土用丑の日でしたが、みなさんはうなぎを食べましたか?土用の丑の日が近づくと、暑さも厳しくなり、いよいよ「夏本番」ということを実感します。
これからの時期は、ついつい冷たいものばかりが欲しくなり、食欲がなくなりがちですが、食欲がない時でも、うなぎを焼いている時のあの香ばしい香りが漂ってくると、ついつい引き寄せられてしまう方も多いのではないでしょうか?
今回は、夏バテの予防・解消にピッタリのうなぎについてのお話です。
土用の丑の日とは?
「土用の丑の日」と聞くと、「夏」を思い浮かべがちですが、「土用の丑の日」は年に数日あります。
土用とは、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を言います。
今の時期の「土用」は立秋前の「夏の土用」になります。
また、1日ごとに十二支が割り当てられていて、土用の期間中の「丑」に当たる日を「土用の丑の日」といいます。
「丑の日」は12日に1度回ってきますので、1回の土用の間に「土用の丑の日」が2度くることもあり、2度目の丑の日を「ニの丑」といいます。
来年(2008年)の夏の土用では、「丑の日:7月24日」と「ニの丑:8月5日」の2度の土用丑の日があります。
土用の丑の日にうなぎを食べるのは?
江戸時代に、売り上げ不振であったうなぎ屋から平賀源内が
相談を受け、丑の日に「うどん」「梅干」など「う」の
付く食べ物を食べるという風習より、「本日、土用丑の日」
という看板をうなぎ屋に出させたところ、大繁盛したことが
きっかけとなっているという説があります。
しかし、この他にも様々な説があるようです。
関東と関西の蒲焼の違い
関東と関西の蒲焼では調理方法が異なります。
●関東
【背開き】→【白焼き】→【蒸す】→【蒲焼にする】
一度蒸すのでふっくら柔らかな蒲焼になります。また、蒸した際に脂が
落ちるので、さっぱりとした蒲焼になります。脂のカロリーが気になる方は、関東の方法がおすすめです。
開きかたについては、江戸時代の関東には武士が多かったため、「腹開き」=「切腹」のイメージがあり、背開きになったという説があります。
また、身の厚い背から開くことで、蒸した際に身が崩れるのを防ぎやすくしているという効果もあるようです。
●関西
【腹開き】→【蒲焼にする】
パリパリとした蒲焼になります。脂を落とさずに出来上がりますので、
コクのある蒲焼になります。
関西では、商人の文化が強かったため、「腹を割って話をする」という
ところから、「腹開き」が一般的になっているという説があります。
うなぎの栄養
うなぎは高たんぱく、高エネルギーで、疲れた体の回復に重要な
ビタミンB群も豊富という、まさに夏バテの予防・改善にはピッタリの食品です。
ビタミンB群が豊富な食品の代名詞である豚肉と比較しても、ビタミンB1はほぼ同量、ビタミンB2は2倍以上もとることができます。
また、うなぎの栄養素で何といっても一番豊富なのはビタミンA。
1人前で3日分のビタミンAをとることができます。
さらに、不足しがちなカルシウムが魚の中では特に多く、鯵の5倍、
鰹の12倍もあり、蒲焼き一人前で牛乳コップ7分目同量のカルシウムを
とることができます。
また、動脈硬化予防効果の高い「EPA」や「DHA」などは、鰯と同程度、鯵の2倍以上も含まれます。
このようにうなぎは夏バテ改善ばかりではなく、健康効果もかなり高い魚といえます。
うなぎのレシピ
うなぎの一般的な食べ方としては、「蒲焼」が多いかと思いますが、うなぎ本来の美味しさを楽しめる「白焼き」もおすすめの食べ方です。わさび醤油やゆず胡椒などを合わせるとさっぱりと召し上がれます。
また蒲焼も「鰻重」ばかりではなく、お茶漬けにする「うな茶」や、玉子焼きで巻く「う巻き卵」、きゅうりの酢の物と合わせた「うざく」など、様々な料理で楽しむことができます。
今回は少し余った蒲焼などを活用してさっと作れておつまみにもぴったりの、さっぱりピリ辛な和え物をご紹介します。
●うなぎと長芋のさっぱり和え●
【材料】2人分
・うなぎの蒲焼 1/2尾
・長芋 100g
・オクラ 2本
・みょうが 1個
・刻みのり お好みで
・しょうゆ 大さじ1と1/2
・酒 大さじ1
・だし汁 大さじ1/2
・わさび 適量
【作り方】
①うなぎの蒲焼は、1cm幅くらいの食べやすい大きさに切る。
②長芋は皮をむいて、2~3cm長さの細切りにする。
③オクラは塩をまぶして板ずりし、茹でた後小口切りにする。
④みょうがは縦半分に切って薄切りにする。
⑤しょうゆ、酒、だし汁を合わせて、レンジで軽く加熱する。(お酒の臭みがとれる程度)
⑥⑤が冷めたら1~5を合わせ、わさびも加えて和える。
⑦刻みのりを乗せて出来上がり。