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栄養コラム

特定保健用食品5 骨の健康が気になる方の食品

No.37 

2006年8月3日

国立健康・栄養研究所認定 栄養情報担当者(NR) 管理栄養士 杉田 恭子

特定保健用食品についてのご紹介、第5回目の今回は「骨の健康が気になる方の食品」についてご紹介致します。
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骨の健康とは?

骨は古い骨を壊して新しい骨を作るという「形成」と「破壊」を繰り返していています。このとき、「形成>破壊」であれば骨量増加、「形成<破壊」であれば骨量減少となります。骨が健康な状態とは、骨量が十分にある状態(骨密度が十分な状態)。逆に骨の健康が失われている状態とは、骨量が少なくなって骨がスカスカのもろい状態(骨密度が低い状態)になり、骨粗鬆症のリスクが高まっている状態です。
骨量が減少してしまうと、ちょっとしたつまづきなどで骨折しやすくなってしまい、骨折の治りも非常に悪くなります。特に高齢者の場合、骨折によって歩けなくなってしまい、そのまま寝たきりになってしまう人も少なくありません。
骨量は20~30歳代が最大といわれ、その後は加齢、ホルモンバランスの変化とともに「形成<破壊」の傾向が強まり、徐々に骨量は減少してきます。従って、骨量のピークに達する年齢までにどれだけ骨量を増やして骨密度を高めておけるか、30歳以降は増やした骨量・骨密度を減少させずにどれだけ維持できるかが重要となります。


あなたの骨量・骨密度は大丈夫?

では、現在のみなさんの骨量・骨密度はいかがでしょうか? 以下の質問で当てはまるものがいくつあるかチェックしてみましょう。当てはまる数が多いほど、骨の健康が失われている可能性があります。 hensyokueinpitu

① 偏食である(好き嫌いが多い)
② 乳製品はほとんどとらない
③ インスタント食品をよく食べる
④ 野菜、海藻類はほとんど食べgyuunyuuない
⑤ 極端なダイエットをしているdiet
⑥ すぐイライラする
⑦ 日光に当たることが少ないundoubusoku
⑧ 運動習慣がない
⑨(女性のみ)閉経を迎えた

当てはまる項目が多く心配な方は、一度医療機関などで骨量・骨密度を測定して頂くのもよろしいでしょう。医療機関などで行う測定方法には主にエックス線を用いた測定と超音波を用いた測定の2つの方法があります。
●エックス線を用いた主な測定と測定箇所
MD法:手のひらの骨で測定
SXA法:かかとの骨で測定
DXA法:腰、前腕の骨で測定

●超音波を用いた主な測定と測定箇所
QUS法:かかとの骨で測定


骨の健康が気になる方の食品とは?

骨量を増やしたり、骨密度を高め骨を丈夫にする為に必要な栄養素は「カルシウム」ですが、日本人のカルシウム摂取量は少なく、さらにカルシウムは吸収率が低い為、骨の健康を維持していくことは簡単ではありません。「骨の健康が気になる方の食品」は効率よく骨の健康維持ができるように手伝いをしてくれる食品です。

「骨の健康が気になる方の食品」には以下の効果があるものがあります。
・ 骨からのカルシウムの溶出を防ぐ
・ 摂取したカルシウムを効率よく吸収させる
・ カルシウムによる骨形成を助ける
・ 骨密度を高める

○商品例
・ 飲料
・ 納豆natto
・ 錠菓
・ ゼリー  など

○利用されている成分
・大豆イソフラボン
・フラクトオリゴ糖
・MBP(乳塩基性タンパク)
・ビタミンK2(メナキノン-7)
(2006年8月2日現在)


注意点

○大豆イソフラボンを配合した食品を利用する場合
大豆に対してアレルギー体質のある方は、大豆イソフラボンを配合した食品を利用する前に医師にご相談下さい。

○フラクトオリゴ糖を配合した食品を利用する場合
多量にとり過ぎたり、体質によってはおなかがゆるくなることがあります。。

○たんぱく質、ビタミン、ミネラルも適量とる
骨を作る主の栄養素はカルシウムですが、カルシウムだけが十分にあっても効率よく骨を作ることはできません。骨形成にはカルシウムの他に「たんぱく質」「マグネシウム」「リン」「ビタミンD」「ビタミンK」「ビタミンC」なども必要となります。これらの栄養素も不足の無いように心がけることが重要です。
ただし、とり過ぎてしまうと逆効果になってしまうものもあります。
「リン」はとり過ぎるとカルシウムの吸収を阻害してしまいます。リンは加工食品に多く含まれていますので、加工食品を食べることが多い場合、リンのとり過ぎになっている可能性が高いと言えます。加工食品のとり過ぎには注意しましょう。
「たんぱく質」は体を構成する上でも非常に重要な栄養素ですが、とり過ぎると腎臓でのカルシウム排泄を促進してしまいます。特に、プロテインなどでたんぱく質を大量に補給した場合にカルシウムの摂取が足りないと、カルシウム不足を引き起こしてしまう可能性がありますので注意が必要です。