ヘルスケアトータルソリューションズ株式会社

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栄養コラム

寿司

No.70

2009年6月1日

管理栄養士 奥田志おり

紫陽花がきれいな季節ではありますが、こうも毎日ぐずついた天気が続くとお洗濯に困り ますし、どこに出かけるにも億劫になってしまいますよね。そこで今回は憂鬱な梅雨も活 きよく、涼やかに吹き飛ばしてくれそうな“お寿司”に注目してみました。今や世界も注 目する“SUSHI”最新事情から、リーズナブルなお寿司の楽しみ方まで。奥深き寿司の世 界へご案内いたします。
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由々しき事態!日本人の魚離れ

先月、発表された『2008年水産白書』によると全ての世代で日本人の魚介類の摂取量は減っ ているそうです。平成18年にはついに魚介類の摂取量が肉類を下回りました。
ここ10年ほどの間に1~19才では2割以上。30~49才では3割以上も減少しています。

このような事態となった要因は色々挙げられますが、こどもの場合は「骨があるから」、
成人の場合は「調理が面倒だから」という理由が圧倒的のようです。
私たち日本人は先祖代々海の幸に恵まれてきた民族ですから決して“魚が嫌い”なのではなく、現代人は便利な暮らしに慣れ過ぎたためか“手間がかかることが嫌い”なようです。
よってこのような現状にあっても、子どもから大人まで、好んで食べられているのが、そのまま食べられる“お寿司”なのです。aji sanmai wa_saba



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日本の寿司事情

昭和40年代くらいまでは“お寿司”といえばお客さんがみえた時に出前として、もしくは お祝い事など特別なシーンでしか食べられない“ご馳走”というイメージではなかったで しょうか。
しかも、“お寿司”は大人の食べ物で、子供が食べられるお寿司といえば“海苔巻”くらい だったように思います。

しかし冷凍技術や流通、“握りロボット”など調理機器の発達にともない、テイクアウトの寿司、回転寿司などリーズナブルな店が増えました。
そして今や市場は飽和状態。「マグロ解体ショー」、「5皿に1回、ゲームに挑戦できる」 など、テーマパーク並みの演出で差別化を図る店まで登場しています。
日曜日の夕食時ともなると、回転寿司店は子供連れの家族で満員です。
“大人のご馳走”であったお寿司は、今や“ファーストフード”のような位置づけになり つつあるのも事実です。
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一方、先代の味と技を受け継ぎながらも、さらにもっと客に喜ばれる寿司を目指して労を惜しまない“寿司職人”の店もあります。
かのグルメ本『ミシュラン』で三ツ星を獲得した店ともなりますと、「おまかせ」は握り寿司20個ほどで3万円くらいとのことですから、1個が平均1500円です。
あなたはこの価格を聞いてどう感じましたか?“高い!”もしくは“納得!”でしょうか?
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世界の寿司事情

お隣り韓国では「キンパプ」と呼ばれる海苔巻が日本のおにぎりのように日常的に食べられています。
日本の海苔巻と大きく違うのは“酢飯”ではないという点です。
具は各お店や家庭によって様々のようですが、さすがは韓国“キムチ”や“ナムル”は不 動の人気のようです。

美食の国フランスでは、回転寿司にテイクアウト・宅配専門のチェーン店まであります。
シャンゼリゼ通りにある回転寿司店では、ソフトシェルクラブの天ぷらや、フォアグラの 刺身まで回っているらしいです。

そして近年、特に高所得者層のまぐろの消費が増えた中国。
築地や銀座の寿司屋でも中国からのお客さんで賑わっているようです。
ちなみに今年のマグロの初競りで963万円の最高値が付いた青森県大間のクロマグロは、中国人の寿司チェーン経営者と銀座の高級寿司店との共同購入だったそうです。
中国などの新興国や、健康志向を強める欧米諸国が多少高くとも水産物をどんどん買う ようになり、日本の商社が買い負けすることが増えているのが現状です。
世は寿司ネタ戦国時代です。
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安い!美味い!!ヘルシー!!!楽しみましょう“我が家でお寿司”

「一皿100円均一」などのリーズナブルな回転寿司でも、食欲のままに堪能すると結局は、 そこそこの出費にはなってしまうものです。そこで、よりリーズナブルに楽しめるような、お寿司のレシピをご紹介します。鉄火丼感覚でお気軽にお試しください。


●カツオのわさび酢醤油和え●
旬のカツオを“わさび酢醤油”で和えるだけです。ネタの味付けに酢を使用していますので、別途“酢飯”にする手間も省けます。シソやみょうがの薬味で食欲のないときなど でも美味しく食べられます。また、かいわれ大根で、栄養価がアップするだけでなく “かさ”も増えて見栄えがするといううれしいことずくめのレシピです。

【材料】3~4人分
・カツオ     柵1つ 
・かいわれ大根  1パックtemakimaguro
・シソ      10枚くらい
・みょうが    2つ
・お好みでゴマ
          
≪わさび酢醤油≫wasabineriwasabi
・酢       大さじ 1 
・しょうゆ    大さじ 1
・わさび     大さじ 1/2

【作り方】
① かいわれ大根は食べやすい大きさに、シソとみょうがは千切りにします。
② わさび酢醤油を合わせておきます。
③ カツオを食べやすい大きさに(刺身サイズ)に切ります。
④ ③を①、②と和えればネタが出来上がり。ご飯の上に盛り付けてお召し上がりください。

※わさびは練りわさびでも十分ですが、少し贅沢をして本わさびをすりおろしてお使いいただく
 と、スーパーで買ったカツオも見違えます。
  (市販の練りわさびは、本わさびよりも西洋わさびの配合のほうが圧倒的に多いのです。)
※柵を刺身用に切るのは、コツさえ掴めばさして難しくありません。
 身に包丁の刃元をあて、手前にゆっくりひくようにしながら刃全体を使うように1回で切り離
 します。
 そうすると刺身の“角”が立って、見た目にも美しく、口あたりも美味しくいただけます。
※手巻寿司感覚で、海苔で巻いて食べるのもおすすめです。