ふきのとう、たらの芽、たけのこ、など春の野菜を満喫された方もいらっしゃるかと思います。春野菜と言えば、あと何かお忘れではありませんか?これからの時期は国内産の路地物アスパラガスが出回ります。約一ヶ月というわずかの期間ですが、機を逃さず是非あじわってみてください。お口の中も心も春爛漫!至福の時をお約束します。
アスパラガス豆知識
● “アスパラガス”の語源
ギリシャ語の「aspar agos たくさん分かれる」にあります。一つの株から次々と新芽が生えてくる様をズバリ表現した名前と言えます。秋から冬にかけて根にたっぷりと養分が蓄えられ、春には1日に5~6cmものスピードで新芽が生えてくるといいますから驚きです。
● アスパラガスの品種と原産地
タマネギ・ニンニク・ニラなどと同じユリ科に属し、原産地は地中海沿岸です。
ヨーロッパでは春の訪れを知らせてくれる代表的な野菜であり、アスパラガスを添えもの野菜としてではなく“メイン料理”として食べさせてくれるレストランも少なくありません。アスパラガスを茹でる専用の鍋やピーラーまであるそうです。いつかは是非その本場のアスパラガス料理を食べてみたいものです。
アスパラガスの種類
● グリーンアスパラガス
現在、日本の市場に出回っている約9割を占めます。太陽の光を浴びて育つので鮮やかな
緑色をしています。
● ホワイトアスパラガス
グリーンアスパラガスと同じ品種ですが栽培方法が異なります。こちらは土を高さ25cmほどにこんもり盛られ、太陽の光を遮断されて育つため光合成できずに白い色になります。グリーンアスパラガスよりも糖度が高く、ほろ苦いのが特徴です。日本では収穫量はまだ僅かですが、ヨーロッパではホワイトアスパラガスの方が主流です。
● 紫アスパラガス
グリーンやホワイトアスパラガスとはまた別の品種です。ホワイトアスパラガスよりもさらに収穫量が少ないため、取扱いのあるデパートかネットショッピングでしか手に入らないようです。
アスパラガスの栄養
中国では古くから漢方としても利用されており、日本ではアスパラを茹でた汁を“自家製栄養ドリンク”として飲むアスパラ農家まであるそうです。
野菜の中では、たんぱく質と糖質が多いのが特徴です。その他、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、食物繊維も豊富です。
ここでは、アスパラガスに含まれているビタミン以外の注目成分についてご紹介します。
●アスパラギン
体内に吸収されると「アスパラギン酸」という「アミノ酸」に変化する「アスパラギン」が多く含まれています。新陳代謝を活発にし、身体を構成するたんぱく質の合成を高めてくれるため疲労回復に効果があります。「アスパラギン」はアスパラガスから発見されたことにちなんで名付けられたそうです。
●ルチン
ルチンは無色の色素で、そばにも多く含まれています。アスパラガスには穂先に含まれています。
“ビタミンP”と呼ばれることもあり、毛細血管を強化する作用があるので高血圧や動脈硬化の予防となります。
●アントシアニン
アントシアニンはイチゴやブドウ、なす等にも含まれる赤や紫の色素です。紫アスパラガスにはグリーンアスパラガスの約10倍多く含まれており、抗酸化作用があります。ただし、残念ですが、茹でると色が抜けてしまいますので調理の際には工夫が必要です。
おいしく食べるために!料理以前のABC
●選ぶポイント
・ 穂先がかたくしまっているもの
・ 茎が太く、まっすぐのび緑色が濃く、ツヤがあるもの
・ 茎の切り口が変色しておらず乾燥していないもの
●保存方法
<生の場合>
・ 生のままでは3日くらいしか持たないので、採れたてをすぐにいただくのがベスト
・ すぐに食べない場合は、ぬらした新聞紙にくるみラップに包んで冷蔵庫へ,横ではなく
立てた状態で保存してください。
<茹でた場合>
・ かために茹でた後に水気をよくふきとり、冷ましてからラップに包んで冷凍庫で保存すると
1ヶ月ほど持ちます
アスパラガスのレシピ
せっかくですから旬の採れたてホワイトアスパラガスを使ってみましょう。茹でて、マヨネーズでいただくだけても十分おいしいですが今回は、油などを一切使わずに出来るマリネのご紹介です。白ワインとワインビネガーの酸味がアスパラガスの甘味をいっそう引き立ててくれる、色鮮やかな一品です。
●アスパラガスのマリネ●
【材料】2人分
・ホワイトアスパラガス(直径1.5cm以上ある太めのもの)4本
・パプリカ(黄色でも赤でも結構です) 1/2個
・小エビ 8個くらい
《マリネ液》
・黒こしょう(ホール) 8粒くらい
・白ワイン 大さじ 2杯
・白ワインビネガー 大さじ 2杯
・ハチミツ 小さじ 2杯
・塩 少々
【作り方】
①アスパラガスは穂先より下の部分の皮をむきます。新鮮なアスパラの皮は固くないので
皮は薄くむく程度で結構です。
②大きめの鍋に(アスパラガスを横に入れて茹でられるくらいの大きさ)湯を沸騰させます。
※ ここに①でむいた皮も入れると、茹でた時に、より一層アスパラガスの風味が付きます。
③まず、アスパラガスを立てた状態で鍋に入れ、根元の部分だけを3~4分間茹でたら、
アスパラガスを横に寝かせて3~4分間経ったら火をとめ、そのまましばらく余熱で
中心まで火を通します。
※ 茹で時間は、アスパラガスの太さに合わせて調整してください。
④パプリカは5ミリ程の千切りにします。
小エビは塩を少々入れた熱湯で茹で、冷ましておきます。
⑤小鍋にマリネ液の材料すべてを入れ火にかけ、アルコール分を飛ばします。
⑥⑤が熱いうちに③のアスパラガスと④のパプリカと小エビを漬けて、粗熱がとれたら容器に
移し、冷蔵庫で1時間冷やして出来上がりです。
※ お好みでピンクペッパーも一緒に漬けますと、さらに色合いよく香りにより深みが出ます。
※ 生のホワイトアスパラガスが手に入らない場合は、缶詰のものを利用してもOKです。