9月に入ったとはいえ、まだ暑い日が続いています。体調を崩されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここはひとつ、ダメージを受けた身体をリセットしておきたいところです。
そのお手軽な手段として今回は、スーパーやコマーシャルでもよく見かける市販の野菜ジュースに注目してみました。
世間では賛否両論あるようですが、そのメリットを上手に活かすコツをご紹介します。
元気はじける!?野菜ジュース事情
今や野菜ジュースは次々と新商品が誕生しています。10年ほど前と比べるとその生産量は約4.5倍にもなります。
野菜ジュースといえども、野菜100%のものから、果汁、ヨーグルトを合わせたものまでバリエーションも豊富です。
近所のスーパーでは8メーカー、28アイテムもの野菜ジュースが扱われていて、流行のビールの様に「糖質オフ」を売りにした商品まであります。
魅惑的なキャッチコピーの捉え方
わたしたち消費者が、どれを飲んだらよいのか迷うほど次々新商品が登場しています。
各メーカーは何とかして自社の商品を手に取ってもらおうと商品名やキャッチコピーにも並々ならぬ力を注いでいます。
一方、その表現が消費者に誤解を与えかねないと、消費者団体が国に表示の改善を求めているという事実もあります。
昨年の秋には「1日分の野菜」を謳った商品の多くが成分表示にある栄養価を下回っていたとの情報が大きく報道され、近頃の商品では「本品は、約350グラムの野菜を使用していますが、野菜の全成分を含むものではありません。」という表現も見られるようになりました。これだけ注目されたのは、野菜不足を補う一つの方法として市販の野菜ジュースが普及してきた証なのでしょう。
ご存知でしたか?栄養成分表示の見方
商品の成分表示をよく見てみると、栄養成分によっては数値に幅があるのをご存知
でしょうか。某有名メーカーの成分表示を例に挙げますと「β-カロテン3300~9500μg」
とあります。最低値と最高値では約3倍も違いがあります。
これは、季節により栄養成分含有量に著しい差が認められる野菜が存在するためで、人参、ブロッコリー、ほうれん草のビタミンCやカロテンが代表的なものとして挙げられます。ですから、市販の野菜ジュースとはいえ、常に栄養成分が同じというわけではありません。また「1日分の野菜」とは言っても、どんな野菜を組み合わせて
ジュースを製造するかによっても栄養価は変わってきます。
市販の野菜ジュースで摂れる栄養
ちなみに市販の野菜ジュースと生野菜について主な栄養素を比較してみました。
(五訂増補日本食品標準成分表より)
|
| トマト | 野菜 | トマト1個(200g) | ほうれん草 |
ビタミンA | μg | 52 | 64 | 90 | 280 |
β-カロテン | μg | 620 | 700 | 1080 | 3360 |
ビタミンE | mg | 1.4 | 1.6 | 1.8 | 1.7 |
ビタミンB1 | mg | 0.08 | 0.06 | 0.1 | 0.09 |
ビタミンB2 | mg | 0.08 | 0.06 | 0.04 | 0.16 |
ビタミンC | mg | 12 | 6 | 30 | 28 |
葉酸 | μg | 34 | 20 | 44 | 168 |
カリウム | mg | 520 | 400 | 420 | 552 |
カルシウム | mg | 12 | 22 | 14 | 39 |
鉄 | mg | 0.4 | 0.6 | 0.4 | 1.6 |
水溶性食物繊維 | g | 0.6 | 0.8 | 0.6 | 0.6 |
不溶性食物繊維 | g | 0.8 | 0.6 | 1.4 | 1.7 |
食塩相当量 | g | 0.6 | 0.6 | 0 | 0 |
※ ジュースは全てコップ1杯(200ml)あたりです。
※ ジュースは全て「食塩添加」の商品の場合です。「無添加」の商品の場合、食塩相当量の
値は「0」となります。
※ ほうれん草の量は「ホウレン草のおひたし」小鉢一杯分です。
「野菜」と「ジュース」で比較してみたところ、ビタミンA・β-カロテン・ビタミンC・不溶性食物繊維に関しては、野菜の方が明らかに高い栄養価であることがわかります。
ちなみに抗酸化作用があることで話題の「リコピン」(トマトなどに含まれる赤い色素でカロテノイドの一種)は市販のトマトジュース缶1本に約15㎎含まれているようです。
これは生のトマト(1個200g)約3個分に相当します。リコピンは赤色が濃いほど多く含まれ、また熱に強いので「トマトジュース」など加工品として摂るのに適している栄養素と言えるかもしれません。
市販の野菜ジュースを選ぶポイント
“いつでも、どこでも手軽に野菜が摂れる”まさに市販の野菜ジュースは時代のニーズにマッチした商品と言えます。しかし、種類が豊富でどれを飲んでよいか迷ってしまいます。
ここでは「野菜不足を補う一手段」として野菜ジュースを選ぶ際のお勧めポイントをご紹介しますので、ご参考になさってみてください。
●野菜の配合が多い商品を選びましょう
野菜以外に果汁や乳酸飲料が配合されている商品も少なくありません。中には野菜が25%しか含まれていない商品もあります。野菜以外の配合が多くなるほどカロリーが高くなる傾向がありますのでご注意を。
●食塩や甘味料が無添加の商品を選びましょう
食塩添加の野菜ジュースとふつうの野菜を比べると、コップ1杯200mlあたり、塩分 「0.6g」の違いがあります。これはきゅうりの浅漬け6切れ分相当です。
「食塩無添加」の商品もありますので、買う時に注目してみましょう。
また、以前よりは砂糖や甘味料を使用しているものは少なくなりましたが、替わりに 果汁で甘味をプラスしているものが多いようです。購入の際には成分表示をチェックされるとよいでしょう。
簡単!野菜ジュースの作り方
ブレンダーやミキサーがなくてもご自宅で作れる野菜ジュースがあります。
今回は、夏の紫外線でダメージを受けた肌の回復を助けるビタミンたっぷりジュースの
作り方をご紹介します。
●ビタミンたっぷり美肌ジュース●
【材料】1杯分
・かぼちゃ 3cm角を2~3個
・果汁100%オレンジジュース 100cc
・レモン汁 適量
【作り方】
① かぼちゃは皮を剥いて、電子レンジで加熱します。
熱いうちに、つぶしてなめらかにします。
② ①にオレンジジュースとレモン汁を加えてスプーンで混ぜれば出来上がりです。
冷蔵庫で冷やしていただくと、一層美味しいです。
※ オレンジジュースの替わりに生のオレンジを搾っていただくと、 よりフレッシュに
いただけます。