新生活をスタートした方も少しずつ落ち着いてきた頃でしょうか。
疲れが溜まる前にゆっくり休養をとりましょう。
今回はゼラチンをご紹介します。お菓子作りに使われることは良く知られていますが、他にもゼラチンの特徴を生かした色々な用途があります。ゼラチンを使って料理においしさと健康をプラスしましょう
ゼラチンとは
ゼラチンの原料は牛の骨や皮、豚の皮、魚に含まれるコラーゲンを分解して作ります。古代エジプト時代に接着剤としてニカワ製造をしたことがはじまりと言われ、今では薬のカプセルやカメラのフィルム、塗料などにも使われています。食用の製造が盛んになったのは18世紀で、最近ではお湯に溶かすだけで使用できるものがあり、手軽に食事に取り入れる事ができます。
ゼラチンの特徴
(1) たんぱく質が多い
寒天など、ゼラチンと用途が似ているものの主成分は炭水化物ですが、ゼラチンの主成分はたんぱく質です。ゼラチンのたんぱく質は消化吸収がよく、トリプトファン以外の必須アミノ酸が全て含まれています。たんぱく質は体をつくる重要な栄養素なので、小さなお子様からお年寄りまで大いに活用したい食品です。
(2) 冷やすとゼリー状に固まる
冷やすと固まる性質があります。固まるとぷるぷるした食感となるので、ゼリー、プリン、ムース、ババロアなどのお菓子に利用されます。このぷるんとした食感が、食欲のないときでも食べやすくします。
また、スープをゼラチンで固めて持ち運び、食べるときに電子レンジなどで加熱するなどの利用方法もあります。
(3) 体温で溶ける
口の中でゆっくり溶け、なめらかな食感になることで飲み込みやすくしますので、飲み込みに問題のある方などの介護食にも広く活用されています。
(4) 色々な食材に使える
ゼラチンは無味なので、色々な食材と混合しても味への影響がほとんどありません。
お菓子や料理など幅広く使えます。
(5) 膜が張る
食品の水分を閉じ込めたり、料理を冷めにくくしたり、料理の酸化を防ぎ美味しさが長続きします。
ゼラチンの使い方
ゼラチンには板状、粉状など様々な形状があります。ゼラチンの分量は材料の水分量の2~3%を目安にしてください。
■板ゼラチン
ゼラチンが十分に浸るくらいの冷たい水でふやかします。ふやかす水は分量外になりますので、使用の際には水気をしっかり切って使ってください。
用途:形を保ちやすく、透明感が高いので洋菓子によく用いられています。計量の手間を省くことができます。粉ゼラチンと比べると膨潤が早く、失敗しにくいです。
■粉ゼラチン
粉ゼラチンに水を入れるとうまくふやけない場合があるので、水を張った容器に粉ゼラチンを振りいれるように入れます。ゼラチンの4~5倍の水で約10分間ふやかしてから使用します。このときに使用する水も分量に入れて計算します。
用途:匂いが少なく、料理の味を変化させないので素材の味を生かす料理に利用できます。
■顆粒ゼラチン
水でふやかさず使用できます。50℃~60℃の材料にそのまま溶かします。
用途:汁物などに手軽に利用できます。ゼラチンをふやかすための時間が短縮でき、また仕上がりが均一になります。
使用上の注意点
・パイナップル、キウイ、いちじくなどの果物には、たんぱく質分解酵素が含まれるため、
生のままで加えるとゼラチンが固まりません。これらの食品を使うときは一度煮てから
使うか、缶詰を利用しましょう。
・70℃を超えると固まりにくくなります。必ず60℃まで冷ましてから混ぜましょう。
・吸水をしっかり行わないとダマになったり溶けにくくなったりします。しっかり水に
浸しましょう。
・20℃以上になると溶け出してきますので、室温が高いときには食べる直前まで冷蔵庫に
入れておきましょう。
おすすめレシピ
これからの季節、冷房などで身体が冷えることもあります。お昼に温かいスープを飲んで身体を温めたいところ。
ゼラチンを使って、野菜たっぷりのスープをお弁当に加えましょう。簡単に作れるコンソメスープのご紹介です。
●お弁当に野菜スープ●
【材料】(2人分)
・トマト・・・1/2個(60g)
・グリーンアスパラガス・・・2本
・黄パプリカ・・・1/4個(30g)
・セロリ・・・1/4本(30g)
・玉ネギ・・・1/4個(50g)
・固形スープの素・・・1個
・水・・・400ml
・顆粒ゼラチン・・・12g
・塩、こしょう・・・少々
・パルメザンチーズ・・・少々
【作り方】
(1) トマトは種を取り除き、角切りにする。
(2) アスパラは輪切り、パプリカ、セロリ、玉ネギを角切りにする。
(3) 水を沸かして固形スープの素を溶かしスープを作る。
(4) 材料をスープで煮る。
(5) スープを60℃まで粗熱をとり、顆粒ゼラチンを入れ、混ぜる。
(6) パルメザンチーズをふりかける。
(7) 持ち運ぶ容器(耐熱パック)に入れ、冷蔵庫で固まるまで冷やす。
(8) 食べるときに電子レンジで加熱する。
※ゼラチンを10gにすると固まりがゆるくなり、ジュレとしても美味しく食べることができま
す。
※スープの材料は何でもOKです。余っている野菜があれば是非スープにして無駄なく使い切り
ましょう。