早いもので、新年が明けて1ヶ月が過ぎました。
2月はソチオリンピック開幕で冬のスポーツが盛り上がりそうですね。
今回は、冬の厳しい寒さを乗りこえるための秋田の保存食として親しまれてきた「かすべ」についてご紹介します。
かすべとは?
かすべとは「エイ」のことをいい、主に北海道と東北地方の日本海側で用いられている呼び名です。食用部分が少なく、煮ても焼いてもうまくない「魚のかす」という意味から、かすべと呼ばれるようになったと言われています。
現在では、メガネカスベ(真カスベ)とドブカスベ(水カスベ)が食用として売られています。 かすべの多くの種類は、大陸や島に隣接する海底に生息していますが、メガネカスベやドブカスベは深さ数100mの沿岸域に生息するため、漁獲されやすい種類とされています。大きさは、全長数10cmのものから2mに達するものまでおり、中央の胴体部分は市場で切り捨てられ、胸びれとほほ肉のみ食べることができます。
かすべの特徴
かすべは軟骨魚類で骨の全てが軟骨のため、鶏の軟骨のようにコリコリとした食感が特徴です。また肉部分は厚めでやわらかく、カレイのように癖がない淡泊な味わいが特徴の魚です。
北海道では「生かすべ」を食べることが多いですが、秋田県や山形県など東北地方の日本海側では「干しかすべ」が主流として食べられています。特に秋田県では、「干しかすべ」を利用したかすべ料理が日持ちの良い食べ物として古くから親しまれ、正月や冠婚葬祭には欠かせない伝
統食とされています。冬の長く厳しい風土を生きるうえでの大切なたん
ぱく源となっていました。
かすべの旬
かすべは基本的に一年中漁獲されていますが、10月~11月にかけて漁獲量が増えてきます。晩秋頃からかすべに脂がのりはじめ、次第に肉厚になります。4月から産卵期に入るため、晩秋頃から早春までが旬となります。
かすべの栄養
魚の中でも低エネルギー、低脂肪、高たんぱく質の食品です。特に低エネルギーはだんとつで、白身魚のまだいと比較するとたんぱく質量は同等ですが、カロリーはまだいの約6割程度でとてもヘルシーな食品であることがわかります。
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また、かすべには皮膚の生成に関わるコラーゲンが豊富に含まれ、軟骨部分には骨の生成や関節に重要なカルシウムやコンドロイチンが多く含まれているため、健康にも美容にもとても優れた食品といえます。
かすべの代表的な料理
(1)煮付け
カレイの煮付けのように、しょうゆ、みりん、砂糖、酒を用いて甘辛く煮るのが主流で、
またコラーゲンも多く含まれているため冷やして煮こごりとしても食べられています。
(2)からあげ
鶏のからあげのように、しょうゆ、にんにくなどで味付けをし、揚げて食べます。
鶏軟骨からあげのようにコリコリとしており、お酒のつまみとして好まれています。
(3)ぬた
主に北海道の郷土料理として親しまれており、一度さっと茹で、たまねぎやネギと一緒に
酢味噌で和えます。
こちらもお酒のおつまみとしても良い一品です。
おすすめレシピ
秋田で古くから親しまれているお馴染の煮付けのレシピをご紹介します。
●かすべの煮つけ
【材料】 2~3人前
・生かすべ・・・200g(3~4切)
・しょうが千切り・・・1/2かけ
・しょうゆ・・・大さじ2弱
・酒・・・大さじ2
・みりん・・・大さじ1
・砂糖・・・大さじ1
・水・・・100cc
【作り方】
1. かすべは、熱湯をかけて軽く臭みをとっておきます。
2. 鍋にしょうゆ、酒、みりん、砂糖、水を入れ、煮たったらしょうがを入れます。
3. かすべを入れ、ひと煮立ちしたら弱火にし、アクを取り除きます。
4. 煮汁を上からかけ落し蓋をして、弱火のまま10分程煮ます。
※途中煮汁をかけながら煮ると味がしっかりしみ込みます。
5. 火が通れば完成です。
★味がしみ込みづらいので、是非一晩おいてからお召し上がりください。
★煮た後すぐの軟骨が固くて食べられない方は、冷蔵庫で一度冷やすと軟骨がもろくなり
食べやすくなります。
【お勧めの食べ方】
煮たかすべの身をほぐし、煮汁ごと冷蔵庫で冷やすと、コラーゲンがたっぷり含まれたおいしい煮こごりができます。