日本だけでも2,000種以上、世界中では15,000種以上の品種があると言われ、品種ごとに旬があるので収穫時期が幅広いですが、日本では秋から冬にかけて旬を迎える品種が多いです。日本でもりんごは果物の代表に位置づけられるほど広く食べられていますが、海外ではデザートだけでなく料理に使われることも多く、色々な摂り方で積極的に食べられています。今回はそんな海外情報も入れながら、りんごの良さをお届けします。
日本と海外のりんご
日本では果物やデザートに使われる甘味の強いものが主流で、大きさもずいぶん大きいものもあり、1個食べるとかなり満腹になるものが多くなっています。海外では甘味だけでなく酸味の強いものも多く、デザートだけでなく加熱して料理に使うこともあります。ブラムリーという品種はクッキングアップルとも呼ばれ、生だと酸味が強く食べられませんが、加熱すると甘味が強くなり、美味しいと言われています。また海外のりんごの大きさは片手で軽く持てるぐらいの小さいものが多く、皮を剥かずにそのまま食べられているので、丸のままかごに入れて売られていたり、手軽に持ち歩いて食べられたりしています。
-主な代表的な品種-
日本:ふじ、紅玉、つがる、ジョナゴールドなど
海外:コックス、ピンキーレディ、ロイヤルガーラなど
アップルデイ-Apple Day-
イギリスでは10月下旬にアップルデイというお祭りがりんごの収穫時期に毎年開催されています。イギリス産のりんごは世界一と誇っており、りんごの良さを広めるために開かれています。子どもが最初に文字を覚えるのがアップル(Apple)の「A」であることからもイギリスで親しまれている果物なのかもしれません。りんごの食べ比べや、りんごを使用した料理や飲み物を楽しむことができます。また皮むき
競争なども一緒に行われるそうです。
-りんごを使った代表的な料理や飲み物-
●アップルクランブル-Apple Crumble-
イギリス発祥のホットデザートです。生のりんごの上に、バター、薄力粉、砂糖を混ぜた生地(クラム)をのせて焼き、カスタードクリームやアイスクリームと一緒にいただきます。焼いたりんごの甘酸っぱさと生地の甘さが美味しく、手軽につくれる簡単デザートなので家庭でもよく作られ、パブなどの飲み屋やカフェなどにも置かれています。
●トフィーアップル-Toffee Apple-
日本の出店に並ぶリンゴ飴と同じで、小ぶりのりんごに水あめをからめたお菓子です。
●ポークアップルパスティ-Pork & Apple Pasties-
パスティはパン生地に具材をくるんで焼いたパイで、イギリスの家庭料理です。中身の具は牛肉、豚肉、鶏肉やじゃがいものものなど様々ありますが、豚肉料理にりんごを合わせると相性が良いことからパスティの具にも使用されています。
●アップルサイダー-Cider-
シードルとも呼ばれるりんごを発酵させてつくる炭酸系のお酒です。イギリスでは「サイダー」と呼ばれているそうですがアルコール度はワインと同じ程度あるアルコールです。
りんごの栄養
風邪を引くとりんごをすって食べた経験がある方も多いのではないでしょうか。イギリスでは昔から「一日一個のりんごは医者を遠ざける」と言われ、日本でも「りんごが赤くなると医者が青くなる」と言われるほど栄養価が高く、注目したい食材です。 素早くエネルギー源となる果糖が多く含まれており、有機酸による疲労回復効果が期待でき、スタミナ切れや疲れた体には最適な栄養補給になります。また低カロリーでビタミンやミネラルも豊富に含まれており、食物繊維のペクチンやカリウムの働きも合わさってダイエットや生活習慣病予防にも効果的な
食材です。さらにペクチンは下痢や便秘などの改善にも役立ち
ます。中くらいのサイズ1日1個を目安に食べましょう。
●有機酸
エネルギーの代謝を良くしたり、代謝によってできる疲労物質を溜めにくくします。
●食物繊維(ペクチン)
消化吸収を抑えて吸収を遅らせることによって血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールの吸収を妨げます。 また腸粘膜を保護し腸内環境を整えるため、下痢や便秘を改善します。
●カリウム
摂り過ぎたナトリウム(塩分)を排泄し、体内の水分バランスを整える働きがあります。むくみの改善や、高血圧の改善につながります
おすすめレシピ
りんごを皮ごと使うレシピです。料理にもうまく活用することで果物の摂取量をアップさせましょう。ポークアップルパスティの包みを手軽なパイシートを使ってアレンジしました。ちょっとイギリスの風を感じながら召し上がってみて下さい。
●ポークアップルパイ
【材料】(2人前)
・豚肉肩ロース・・・100g
・りんご・・・中1/2個
・玉ねぎ・・・1/4個
・じゃがいも・・・1/2個
・バター・・・大さじ1/2
・セージ(パウダー)・・・小さじ1/2 (なしでも可)
・塩・・・小さじ1/2
・コショウ・・・適宜
・パイシート・・・4枚(10×10cm程、具を包めるサイズ)
・卵・・・適量(つやだし用)
【作り方】
1.玉ねぎをみじん切りに、りんごは皮つきのまま、じゃがいもは皮をむいてをそれぞれ
5~6mmの角切りにします。豚肉もりんごと同じ大きさに揃えて切ります。
2.フライパンにバターを入れ、玉ねぎ、じゃがいも、りんごの順に入れ、玉ねぎが柔らかく
半透明になるまで炒めます。
3.2.に豚肉を加え、セージ、塩、コショウを加え、火が通るまで炒めます。
4.3.をパイシートの中央にのせ三角になるように包み、しっかりと閉じます。
5.つやだしのためパイの表面に溶き卵を塗り、オーブンで200℃20分焼きます。
6.パイがきつね色に焼けたら出来上がりです。
※出来上がりにクリームチーズやサワークリームを添えて食べても美味しくいただけます。また
豚肉は挽き肉で代用でき、セージの代わりにシナモンやジンジャーを加えても違った味を楽し
めます。