5月に入り、木々も鮮やかな緑に包まれ、心地よい季節になってきました。今月はもうすぐ旬の時期を迎えるさやいんげんをご紹介します。
さやいんげんについて
さやいんげんは、成熟前のいんげん豆をさやごと食べるために品種改良したマメ科の野菜です。
日本では江戸時代に中国から隠元(いんげん)禅師によって伝えられたことからいんげん豆と
名づけられたとされています。
1年に3回収穫できることから関西地方では「さんどまめ」と呼ばれることもありますが、
旬は6~9月で、この時期のさやいんげんはみずみずしく、歯ごたえが抜群です。
さやいんげんの代表的な種類には、さやが丸くて適度な歯ごたえがあるどじょういんげんや、
さやが扁平型でやや柔らかい歯ごたえのモロッコいんげんなど、さまざまな種類があります。
さやいんげんのおすすめポイント
簡単にとれる緑黄色野菜
さやいんげんはβ-カロテンを豊富に含み、緑黄色野菜に分類されます。手軽に入手ができ、処理もあまり手間がかからず、簡単にとることができる緑黄色野菜です。
β-カロテンは抗酸化作用や皮膚や粘膜を丈夫にし、夏の強い日差しから体を守ってくれます。
また、免疫力アップに繋がる働きを持っています。
β-カロテンの効率のよいとり方は、油と合わせてとることです。β-カロテンは油に溶けやすい性質のため、脂質と一緒に取ると吸収率が上がります。さやいんげんを油で炒めたり、ごまやピーナッツなどの脂質が多い食品と合わせる、ごま和えやピーナッツ和えなどもおすすめです。
豆の栄養も摂取できる
さやいんげんには、野菜だけでなく豆の栄養も含まれています。エネルギーをつくるうえで必要なビタミンや、疲労回復効果を持つ必須アミノ酸のアスパラギン酸、そしてエネルギー源となるたんぱく質や糖分を適度に含み、野菜だけとは異なる栄養も取ることができます。このことから、かつては肉や魚を食べない僧にとって、貴重な栄養源のひとつでした。
調理しやすい
さやいんげんは火の通りが比較的早く、煮崩れもしないので「煮る」「茹でる」「炒める」と幅広い調理法ができます。
また、多く流通している冷凍品を使用すれば、下処理の必要がなく、使いたい分だけ使うことができます。
選び方と保存方法
さやいんげんの選ぶポイントと保存方法をご紹介します。
おいしい茹で方とポイント
さやいんげんは和え物など茹でて調理することも多いと思います。
そんな時に役立つ茹で方のポイントをご紹介します。
①切らない
へたと筋を取り、切らずに茹でます。切ると切り口から栄養が流れ出てしまうため、切らずに茹でるのがおすすめです。また、現在は品種改良により、筋なしのさやいんげんもあります。筋なしを使用する場合はへただけ取りましょう。
②板ずりをする
板ずりとは、さやいんげんに塩をまぶし、まな板の上でコロコロ転がすことです。
板ずりをすることで色鮮やかに仕上がり、青臭さがとれます。
さやいんげん独特の香りを楽しみたい時は板ずりせずに茹でましょう。
③茹ですぎない
熱湯で1分30秒~2分ほど茹でましょう。長く茹ですぎると歯ごたえがなくなってしまいます。板ずりをしなかった場合は熱湯に塩を入れて茹でると色よく仕上がります。
④氷水にさらす
氷水で急速に冷やすことで余熱による色や食感の変化を止めることができます。水ではなく氷水にすることで、より良い歯ごたえと鮮やかな色を楽しむことができます。
おすすめレシピ
さやいんげんと同じくβ-カロテンが豊富なにんじんと合わせたきんぴらをご紹介します。油で炒め、ごまも入っているので、β-カロテンの吸収率も上げることができます。また、しょうゆではなく塩で味付けをすることで色よく仕上がります。
<さやいんげんとにんじんの塩きんぴら>
【材料】2~3人分
さやいんげん 100g
にんじん 50g(1/3本)
料理酒 小さじ2
みりん 小さじ2
塩 小さじ1/3
いりごま 大さじ1
ごま油 小さじ2
【作り方】
1.さやいんげんは筋を取り、長さ4cmの斜め切りにする。にんじんも長さ4cmの千切りにします。
2.フライパンにごま油を入れて熱し、さやいんげんとにんじんを炒めます。
3.しんなりしてきたら、酒・みりん・塩を加えて水分がなくなるまで炒めます。
4.最後にいりごまを加えて混ぜたら、完成です。
【アレンジ】
ちくわやツナをプラスするとたんぱく質も摂取することができ、おすすめです。