新年度を迎え、花々が美しい季節となりました。環境の変化から体調を崩しやすい時期ですが元気に毎日を
過ごせるよう健康的な食生活を心がけましょう。今月はしらすについてご紹介します。
しらすについて
しらすとは主にカタクチイワシの稚魚のことを指し、その調理加工方法によって名称が異なります。
生のしらすを釜茹でしただけのものを「釜揚げしらす」、釜茹で後、少し乾燥させたものを「しらす干し」、しっかりと乾燥させたものを「ちりめんじゃこ」と区別しています。
しらすはもともとはアユやウナギ、イワシ、ニシン、イカナゴの稚魚の総称を指し、この種の稚魚は体に色素が少なく、白色から透明色をしているためこのように呼ばれていました。現在、スーパーマーケットなどで
一般的にしらすとして多く流通し、食されているのは主にカタクチイワシの稚魚です。
しらすは、足が早く傷みやすいですが、現在は冷蔵や加工技術、流通の向上等により年中を通して食べることができるようになりました。カタクチイワシの産卵のピークは春と秋なので、漁の最盛期も春と秋とあります。春のしらすは小ぶりながら身がぷりぷり、秋のしらすは脂がのって美味しいといわれています。
しらすの栄養的特長
しらすは程よい塩気とくせのない味なので、和食でも洋食でも合わせやすいことや、しらす丼のようにしっかり食べても、一品料理へのちょい足しのどちらでも使いやすいところが魅力です。
しらすの栄養的特長は、特にたんぱく質やカルシウムが豊富に含まれていることが挙げられます。
たんぱく質が豊富
たんぱく質は体の主材料で、筋肉をはじめ、皮膚、血管、血液、免疫、ホルモンや酵素、神経伝達物質など、体のあらゆる材料になっています。例えば、たんぱく質は血管の修復に使われています。血管が傷ついたままだと血管が弱くなり、動脈硬化を進行させる原因になります。たんぱく質は成人男性で1日65g、女性は50g摂取することが推奨され、毎食しっかり摂る必要があります。そんなときに上手に活用したいのがしらすです。例えば、しらす約大さじ3杯で、ハム(1枚)やチーズ(1枚)に劣らないくらいのたんぱく質を摂取することができます。
カルシウムが豊富
カルシウムは骨をつくる重要な構成成分であること以外に、体の細胞や血液中に存在し、筋肉や神経のさまざまな生理機能の調節にも関わっています。血液中のカルシウム濃度は一定に保たれています。血液中のカルシウムが不足すると、必要に応じて骨のカルシウムが血液中に移動します。この状態が続くと、骨がスカスカになっていく(骨粗鬆症)原因になります。そのため、日頃からカルシウムが不足しないよう十分に摂取する必要があります。ほうれん草やわかめとしらす大さじ3杯分を比較すると、ほうれん草の85%、わかめの2倍以上含まれています。
ちょい足しでも効果的
「魚は食べたいけど調理が面倒で・・・」と魚から遠ざかっている方も、しらすなら調理も不要で手軽に食べることができます。またちょい足しすることでたんぱく質やカルシウムがぐんと増えます。
例えば、朝食のトーストの場合、トーストだけ、トーストにチーズをのせる、さらにしらすものせる、で比較してみると、チーズとしらすをのせたトーストは、たんぱく質、カルシウムともに1食あたりの目標量の1/2は摂取することができます。しらすのちょい足しが、食事の栄養価を高めるといえます。
おいしいしらすの選び方
おいしいしらすの選び方には3つポイントがあります。お買い物に行った際にはぜひ見てみてください。
① 色は真っ白に近く、黄ばんでいないもの
② 大きさは揃っていて身がふっくらとしているもの
③ 形は身が「つ」の文字のように曲がっているもの
保存方法
しらすは冷凍しても味に変化が出にくい食材ですが、パックのまま冷凍してしまうと空気に触れて冷凍焼けしやすくなります。冷凍保存の場合は、1回分の量をラップで密閉しておくと使いたい時にも
便利です。1ヶ月を目安に早めに使い切りましょう。
おすすめレシピ
アヒージョは、たっぷりのオリーブオイルとニンニクで食材を煮込んだ料理をいいます。
今回は、オリーブオイルは少なめで、かつ煮込まなくても短時間で仕上がるアヒージョ風にしたレシピを紹介します。
しらすのアヒージョ風
【材料・分量(2人分)】
・じゃが芋 中1個
・ブロッコリー 小1/2株
・釜揚げしらす 小1パック(30g)
・にんにく 1片
・オリーブオイル 大さじ1
・塩 適宜
【作り方】
① じゃがいもは皮をむき6等分、ブロッコリーは一口大、にんにくはみじん切りにします。
じゃがいもは水にさらしておきましょう。
② 鍋に水を入れ、沸騰したら塩(分量外)を少々加えブロッコリーを茹でます。
③ 水気を切ったじゃがいも耐熱容器にいれ、ラップをして500W5分程加熱します。
④ 熱したフライパンにオリーブオイルをひき、にんにくを香りが出るまで中火で炒めます。
⑤ 加熱したじゃがいもとブロッコリーをいれ、全体にオリーブオイルが回るように中火で混ぜ合わせます。
⑥ 最後にしらすをいれて、しらすの塩加減で適宜塩を加え、軽く混ぜたら完成です。
【ポイント】
ブロッコリーは冷凍を使うと簡単に作ることができます。きのこ類と組み合わせても美味しくなります。
また、にんにくを炒めるときに輪切りにした鷹の爪をいれると全体がピリ辛になり美味しさがグッと増します。