今年も残すところあと1ヶ月です。
寒さも本格的になり、こたつでみかんを食べたくなる季節になりました。
冬の風物詩でもある果物『みかん』について紹介します。
みかんの種類
『みかん』とは皮がむきやすい小型の柑橘類の総称です。
現在は一般的には温州みかんを指すことが多いですが、みかんが日本に伝わった江戸時代は、
家名の存続が重視されていたので、種のない温州みかんは避けられていたそうです。
みかんは種類によって特徴も異なります。
甘いみかん…温州みかん、せとか、不知火など
さっぱりとした味のみかん…甘夏、はっさく、文旦など
今年の冬は味の好みや気分でいろいろな種類のみかんを味わってみるのはいかがでしょうか。
みかんの栄養的特長
●ビタミンCを手軽に摂取!
ビタミンCには様々な働きがありますが、急に寒くなり体調を崩しやすい今の時期にぴったりな免疫力をアップする効果を持っています。
体内に侵入したウイルスや細菌と戦う「白血球」や「リンパ球」には、ビタミンCが多く含まれています。そのため、ビタミンCを摂取することで免疫力がアップし、病気への抵抗力が高まります。また、ビタミンCは疲労、暑さや寒さ、風邪などによりストレスにさらされた際に急速に消費されてしまいます。
寒くて感染症が流行しやすいこの季節こそビタミンCを積極的に摂りましょう。
みかん1個にはサラダ1人前よりも多いビタミンC量が含まれています。さらに包丁を使わずに手で皮をむいてそのまま食べられるので、手軽にビタミンCを摂取できます。
12歳以上のビタミンC摂取量の目標は100mg/日ですが、現在の摂取量は不足傾向です。食後のデザートやおやつとして、毎日の食事にみかんを1個プラスして100mgを目指しましょう。
●β-クリプトキサンチンが豊富
みかんには色素成分であるβ-クリプトキサンチンが豊富に含まれています。なかでも温州みかんは他のかんきつ類や野菜などと比較しても特に多く含まれています。
この色素の影響で、みかんを食べすぎると手が黄色くなることがあります。
β-クリプトキサンチンは活性酸素による体内の酸化を抑制する抗酸化作用があります。摂取すると活性酸素が原因となる老化、がん、生活習慣病などの予防につながります。
また、β-クリプトキサンチンの血中濃度が高いと骨粗しょう症になりにくいという研究結果があり、健康な骨の維持・形成に有用であると考えられています。
みかんの『白い筋』にも栄養が!
みかんを食べるとき、皆さんはみかんの身に付いている白い筋も一緒に食べますか。
この『白い筋』はアルベドといい、ヘスペリジン(別名:ビタミンP)
というポリフェノールの一種が含まれています。ヘスペリジンは、ビタミンCの働きを助けるため、血管の構成成分であるコラーゲンの生成が促進されて毛細血管を丈夫にします。それにより、手や足先の末梢血管の血流が良くなって冷えを改善する効果が期待できます。
また、血中コレステロール値の改善、アレルギー反応による炎症を抑える働きもあります。
さらに、白い筋にはペクチンという食物繊維も含まれ、コレステロールや糖の吸収を抑えて血中コレステロール値、血糖値の上昇を抑える働きがあります。他にも腸の調子を整え、便秘や下痢を改善する効果もあります。
白い筋は取らずに、みかんの栄養を余すことなく摂取するとよいといえます。
おいしいみかんの見分け方
みかんのおいしさを感じるには『甘味』だけでなく、『酸味』も必要です。
この甘味と酸味のバランスがとれたおいしいみかんの簡単な見分け方を3つご紹介します。
①皮のブツブツは小さい方がいい
みかんの皮の表面には油胞と呼ばれるブツブツがあります。この油胞が小さい方がみかんが成長していく過程で細胞分裂が活発に行われ、中の果肉も熟していておいしいとされています。
②形は丸よりも平らなものを
みかんは丸い形で大きくなっていきますが、完熟に近づくにつれ、横に成長していく傾向があります。そのため、丸い形よりも平らな形のみかんを選んでみましょう。
③オレンジ色の濃いものを選ぼう
みかんは熟した方が色素成分が多く生成され、オレンジ色になってきます。また、日光をたくさん浴びた方がオレンジ色が濃い傾向があります。黄色や黄緑よりもオレンジ色のみかんを選んでみましょう。
みかんの皮の活用方法
① ジャムにする
温州みかんの皮は他の柑橘類の皮と比べるとやわらかく、苦みが少ないので食べやすいです。
先ほど紹介したヘスペリジンは皮にも含まれているので捨てずにジャムにしてみてはいかがでしょうか。
②お風呂に入れる
冬至の日に入る「ゆず湯」のように、湯船にみかんの皮を入れて「みかん風呂」にするのもおすすめです。
ヘスペリジンによる冷えの改善だけでなく、みかんの良い香りでリラックスタイムを過ごすことができます。みかん風呂で冷えた身体を労わってあげましょう。
③掃除に使う
みかんの皮にはリモネンが含まれており、油によく溶けて油汚れが落ちやすくなります。
皮で直接こすったり、皮と水を火にかけて濾したみかん水を吹きかけても油汚れを落とすことができます。年末の大掃除の際など電子レンジやガスコンロの掃除に使うのをおすすめします。
おすすめレシピ
みかんの皮ジャム
【材料】
みかんの皮 100g(約5個分)
砂糖 50g
水 50g
【作り方】
1.ヘタを取り、皮を洗います。
2.鍋に皮と水(分量外:適量)を入れて火にかけ、沸騰後2~3分茹でます。
3.2をざるにあけ、皮を水にさらし、内側の白い部分を削り取り、皮をお好みの大きさに切ります。
4.鍋に、3と水、材料の砂糖1/3を入れて火にかけます。
5.ふつふつしてきたら、残りの砂糖を2回に分けて加え、水気がなくなるまで煮ます。
6.密閉できる保存容器に移したら完成です。