あけましておめでとうございます。クリスマスやお正月などが続きましたので、豪華なお食事を楽しめましたか。今回はおめでたい席には欠かせないエビについてご紹介します。おせち料理にはメインで伊勢エビやエビのうま煮が入っています。日本人はエビ好きが多く、消費量は世界の中でもトップクラスです。
エビの意味
エビは長い髭と曲がった身から腰の曲がった老人に例えられ、長寿を祈るおせち料理の一品となっています。「海」に「老」と書かれるのもそのためです。エビにはその他にも目が飛び出ているので「めでたい」という意味やエビの色が鮮やかな赤色なため、縁起物として婚礼などのお祝の席で食べられています。
エビについて
エビの種類は3000種以上もありますが、普段食べられているのは60種程度と言われています。天ぷらやフライ、塩焼きなどエビ料理で多いのは車エビや芝エビです。刺身や寿司など生でよく食べられる甘エ
ビ、牡丹エビや伊勢エビなどもあります。また外国産の安価なブラックタイガー、バナメイエビは車エビや芝エビの代わりとしてよく活用されています。
エビの料理への活用は多彩で、「刺身」から「炒め物」、「揚げ物」、だしをきかせた淡泊な味の「あんかけ」から「チリソース」などいろんな味付けで楽しむことができます。日本の漁獲量は日本人が
食べる10%にも満たないため、ベトナムやインドなどからの輸入によってまかなわれています。
エビの栄養
●低脂質・高たんぱく
エビはたんぱく質が豊富な食品ですが、他のたんぱく質が多い食品と比べて脂質が少なく、糖質を含まないのが特徴です。そのため、減量中や身体づくりをしている方におすすめの食品です。また、たんぱく質が不足しがちな高齢者にはたんぱく質のよい供給源となります。 鶏肉と比較すると鶏肉以上のたんぱく質を含み、脂質量は1/20で、カロリーも1/3に抑えることができます。
(食品100g中)
たんぱく質 (g) | 脂質 (g) | エネルギー (kcal) | |
車エビ | 21.6 | 0.6 | 97 |
鶏もも肉 | 16.2 | 14 | 200 |
日本食品標準成分表2010より
【エビのコレステロールは多い?】
「エビのコレステロールが多い」と一部の方に敬遠されていた時代もありましたが、食品中の成分を測定する精度が上がり、それほど多く含まれていないことがわかりました。
(食品100g中)
コレステロール (mg) | |
車エビ | 170 |
卵 | 420 |
日本食品標準成分表2010より
また食事中のコレステロール摂取量は血液中のコレステロールと相関関係が示されていないということから、現在ではコレステロール目標摂取量の基準がなくなっています。ただし、魚介類の中では比較的コレステロール含有量は多めではありますので、血液中のコレステロール値が高い方は摂り過ぎに注意が必要です。
※食べ過ぎに注意
エビが原因でアレルギー症状が出る方が多いことから、アレルギーの表示義務食品となっています。そのためエビを食べ過ぎることによってアレルギーが引き起こされる場合もありますので注意しましょう。
注目の機能性成分
最近食品のもつ機能性成分が話題となっています。機能性成分とは人が生きていく上で欠かすことのできない栄養素以外で、健康や疾病予防などに効果が期待できる栄養成分のことをいいます。近年の研究でその成分が明らかになってきていて、機能性の効果を表示した食品や商品が人気となっています。
●アスタキサンチン
エビには機能性成分であるアスタキサンチンが含まれます。エビを加熱すると赤くなるのは、このアスタキサンチンによるもので、目の機能を助ける機能性成分として注目されています。また天然の色素成分は強い抗酸化力をもつことがわかっており、免疫力を高める効果などが期待されています。
●キチン(不溶性食物繊維)
キチンはエビやカニのような甲殻類の構成成分として殻に含まれています。ただあまり殻ごと食べることが少ないため摂取されにくい成分ですが、キチンの健康効果としては胃で消化されずに食物繊維として便を増やしたり、腸内環境を改善すると言われています。
エビのうま味
エビは出汁としてもエビ独特の美味しさを持ち、ソースやスープに生かされています。西洋料理で頭や殻をトマトペーストなどと煮込んで作るアメリケーヌソースが有名です。エビにはうま味成分であるアミノ酸の「グルタミン酸」と「イノシン酸」が多く含まれ、またなかでも甘味の強いアミノ酸「グリシン」を多く含むことが特徴です。グリシンの甘味は酸味、苦味、塩辛さをマスキングするため、味が和らいで食べやすくなります。酢の物の酢っぱさや、きゅうりなど野菜の苦みなどがまろやかになります。特に頭や殻部分にエビのうま味が詰まっていますので、捨ててしまいがちですが是非活用してみましょう
おすすめレシピ
エビを殻ごと食べられるように調味液で和え、カリッと焼いた簡単料理です。
●エビのスパイシー焼き
【材料】(2人前)
・殻付きエビ(車エビまたはブラックタイガー)・・・6尾(約150g)
・サラダ菜(飾り用)・・・お好み
・長ネギ(飾り用)・・・お好み
・オリーブオイル(調理用)・・・大さじ1
・調味液
a.にんにく・・・1/2片
b.塩・・・小さじ1/5
c.チリパウダー・・・小さじ1/2
d.オリーブオイル・・・小さじ1
e.ケチャップ・・・小さじ1
・エビ下準備用
a.片栗粉・・・大さじ1
b.塩・・・小さじ1/2
c.酒・・・大さじ1
【エビの下準備】
1.エビは頭をはずし、背に切り込みを入れ、背わたをとり除きます。
2.エビを片栗粉と塩と酒でもみ洗いし、汚れを洗い流します。
3.キッチンペーパーで水分をしっかりふき取ります。
【作り方】
1.にんにくはみじん切りにし、長ねぎは白髪葱にします。
2.調味液を混ぜ合わせ、下準備したエビを和えて1~2時間置いておきます。
3.フライパンに調理用オリーブオイルを敷き、温まったら2.をのせ中火でしっかり焼きます。
4.サラダ菜を敷き、3.をお皿に盛りつけ、長ネギをお好みでのせて完成です。
※エビの背に切り込みを入れるときに殻が固い場合はキッチンバサミで切り込みを入れてください。
※チリパウダーとケチャップの代わりにカレー粉でも美味しくいただけます。