食欲の秋がやってきました。
夏は暑くて食欲がなかった人も涼しくなって食欲が戻ってきます。また、美味しい食材がたくさん集まりますので、毎日何を食べようか楽しみな季節です。
きのこ、いも、栗、なし、かき、サンマ…そして日本人ならば忘れてはいけないのがお米の収穫です。今回の栄養コラムはお米をテーマにお届けします。
< 日本の食文化に欠かせない米 >
お米は単に食べる物として昔からあったのではなく、富の象徴であったり、お米にまつわる地域の伝統行事があったりと日本の文化と深い関わりがあります。
また、地域によって品種だけでなく、お米にあわせる食材も違い、まぜごはんやおにぎりの具にしても地域色豊かで、いかに日本人に密着していたかが伺えます。
< 古代米 『赤米・黒米』 も人気 >
赤いもしくは黒いお米を見かけることはありませんか。
これは神様の赤米、皇帝の黒米として昔から珍重されてきたお米で、現在の米のルーツ、赤飯やおはぎのもとになったとも言われています。
稲の原種、野生の稲の特徴を受け継いでいるため古代米と言われ、生命力が強く、無農薬、無肥料でも育ちますが、品種改良されてきた米に比べて収穫量は半分以下と少なく今でも貴重なお米です。
栄養的には玄米と同じような特徴がある他、赤米の色はタンニン系の色素、黒米の色はアントシアニン系の色素を含んでいて、どちらもポリフェノールの一種で抗酸化作用が期待でき、その色が見た目だけでなく栄養的な特徴にもつながっています。
< お米を食べて充実した食卓に >
お米は便秘を気にしている人に毎食お勧めしたい食材です。お米自体に食物繊維が多いこともありますが、炊くことによって嵩が増えるので便のもとが多くなります。また、味覚を正常に保つ亜鉛やビタミンE、ビタミンB1が豊富に含まれています。お米は精米によって含まれる栄養素が変わり、玄米に近いほどそれらの栄養素は多くなります。
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しかし、お米の最も優れた栄養的特徴は単品での栄養でなく、お米を主食として考えると栄養のバランスがとりやすいところです。和食、洋食、中華などのどんな料理にも合うので、いろいろな食材が一緒に食べられます。お米+おかず2~3種類+汁物があると良いでしょう。
お米を主食としていろいろな秋の味覚をお楽しみ下さい。