今年もあとわずかになってきました。新年を迎えるために大掃除や買出しなど忙しい時期ですね。新年への準備が終わった大晦日の夜といえば、年越しそばが定番です。今回は、年越しそばの由来やそばの効能についてご紹介いたします。
<年越しそばの由来>
大晦日に年越しそばを食べるのは、細くて長いそばの形から、家運、身代、寿命などが永く(長く)のびるように「細く長く」と願いを込めたと言う形説があります。
また、そばが切れやすいことから、旧年の苦労や借財や災厄などをきれいさっぱり切り捨てる意味で食べたという説もあります。
関西では運を呼ぶ「うんどん(うどん)」を食べて「太く長く」を願うところもあります。
<そばの効能>
そばには以下のような様々な栄養素がたっぷりです。
○ルチン:ポリフェノールの一種です。主に4つの効果があります。
① 毛細血管を丈夫にし、血圧上昇物質の働きを弱め高血圧を予防する。
② 高血圧予防に伴って動脈硬化や心疾患、脳血管疾患を予防する。
③ すい臓の機能を活性化させ、糖尿病を予防する。
④ 脳細胞を活性化し、記憶力を向上させ、ボケを防止する。
ルチンの理想的な摂取量は、1日約30mgと言われていますが、そば一食分(100g)に
約100mgのルチンが含まれているため、1日1回そばを食べれば、必要な量のルチンが摂取できます。
○たんぱく質:たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されています。
そばはアミノ酸がバランスよく含まれています。
○ビタミンB群:疲労回復、食欲不振などに効果があり、皮膚や
粘膜の健康を保つ効果もあります。
○食物繊維:整腸作用があり、便秘解消、美肌効果があります。
<そば湯>
おそば屋さんに行くと、最後にそば湯を出してくれるお店が多いですが、そば湯はそばを茹でたお湯なので、そばの効能成分がたっぷりと含まれています。そば湯もおいしく頂きましょう。
しかし、おつゆを薄めて飲むことになりますので、塩分の気になる方には注意が必要です。
<健康効果アップおすすめそばの具の組み合わせ>
○大根+しょうが
しょうがには、体を温める効果があり、大根と一緒にしょうがもすりおろして入れると冷え性に効果があります。また、大根には免疫力を強くするビタミンCが豊富に含まれるので、風邪の予防や回復に効果的です。ビタミンCにはルチンのパワーを高める働きがあります。また、大根に含まれるジアスターゼには消化を促進する効果があります。風邪気味で胃腸の調子が悪いとき
にはおすすめです。
○卵+ワカメ
卵は良質なたんぱく質源であるとともに、ビタミンAを豊富に含んでいます。ビタミンAには視力を調節する作用があります。
ワカメなどの海藻類を入れることで食物繊維摂取がアップします。食物繊維には余分なコレステロールを排泄する作用があるので、コレステロール値が気になる方は、ワカメなどの海藻類を組み合わせましょう。
○えび天+ほうれんそう
えびは高たんぱく・低脂肪のヘルシー食品です。また、血中のコレステロールを下げ、動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果のあるタウリンが豊富に含まれています。ほうれんそうなどの菜っ葉類を一緒に加えるとビタミンや鉄分などがアップし、栄養のバランスがとれます。
○鶏肉+きのこ
血圧が気になる方は鶏肉ときのこ類を入れることで、血管を丈夫にする
良質なたんぱく質と、余分な塩分を排泄してくれるカリウムがとれます。
この際、鶏肉は皮は脂肪分が多いので、皮を除いて使うようにしましょう。
またカリウムには年末年始の飲みすぎや食べ過ぎによるむくみを解消する効果もあります。
○納豆+キムチ
納豆に含まれる納豆キナーゼは血液をサラサラにする働きがあります。また、イソフラボンも多く含まれていて、骨粗鬆症、更年期障害などに効果があります。また、納豆、キムチ共に発酵食品で、腸の働きを整える乳酸菌が豊富に含まれています。
★ポイント★
そばに入れる具は、「たんぱく質源の食材+野菜・きのこ・海藻類」にすると栄養のバランスがとれます。
<そばの薬味>
そばには薬味がつき物ですが、この薬味にも様々な効果があります。そばのお供にうまく組み合わせましょう。
・ 七味:唐辛子のカプサイシンが血行を促進させ、冷え性などに効果があります。
・ ねぎ:ねぎに含まれているアリシンはビタミンB1の吸収を助ける働きがあるので、
疲労回復、冷え性に効果があります。
・ ごま:ごまに含まれるゴマリグナンには抗酸化作用があり、老化予防や美肌効果が
あります。
・ わさび:わさびの辛味成分のシニグリンは殺菌や食欲増進のほかにビタミンB2の働きを
高めます。