特定保健用食品についてのご紹介、第2回目の今回は「コレステロールが高めの方の食品」についてご紹介致します。
コレステロールが高いと・・・
コレステロールは腸管内で吸収され、肝臓へ運ばれその後血液に乗って全身を回ります。コレステロールのとり方が多すぎると、血中にコレステロールが多い状態となり、血管壁にコレステロールが蓄積され、血管が肥厚し硬化し、血管が塞がれてきてしまいます(動脈硬化)。
血管が塞がれてくると、血流が悪くなり、組織へ酸素を運べなくなってしまいます。その結果、一時的に酸欠状態になると、胸部に激しい痛みや圧迫感が発生する狭心症を引き起こします。
動脈硬化等で血管が塞がれたり、もろくなった血管が破れ出血が起こり、血の塊が血管を塞いでしまうと、断続的に血流が悪くなり、その先の細胞は死んでしまいます。一度死んでしまった心筋や脳細胞は再生しません。脳で起こった場合、起こった場所によって四肢の麻痺や言語障害のような様々な後遺症が残ってしまいます。
コレステロールが高めの方の食品とは?
小腸において胆汁酸(コレステロールから合成される。脂質の消化・吸収に不可欠な「胆汁」の主成分の1つ)の排泄促進作用、コレステロールの体内への吸収の抑制、体外排出の促進作用があり、血液中のコレステロールを低下させる働きのある食品です。コレステロールは体内でも合成されるので、コレステロール値に問題がない方がとったとしても、体内でコレステロールが不足してしまうことはありません。また、商品によっては、総コレステロールとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らして、HDLコレステロール(善玉コレステロール)は増えたという結果が確認されているものもあります。
○商品例
・ハンバーグ、ソーセージ
・ビスケット
・ヨーグルト
・豆乳
・ヌードル
・スープ
・食用調理油
・飲料 など
○利用されている成分
・大豆たんぱく質
・キトサン
・低分子アルギン酸ナトリウム
・サイリウム種皮由来の食物繊維
・リン脂質結合大豆ペプチド(CSPHP)
・植物ステロールエステル
・植物スタノールエステル
・植物ステロール
(2006年5月12日現在)
注意点
○とるタイミング
腸管内のコレステロールを排泄する働きがあるので、コレステロールが
腸管内にない時に摂取しても効果が期待できません。食事の際に一緒にとるようにしましょう。
○とる量
胆汁酸はコレステロール以外の脂溶性栄養素の吸収にも必要ですので、過剰にとり過ぎて胆汁酸が排泄されすぎてしまうと脂溶性栄養素(ビタミンA、E、D、K、Β-カロテンなど)の吸収も低下させてしまう可能性があります。
○たんぱく質量
3食でしっかりと食事をとって、大豆たんぱく質、リン酸大豆ペプチドの商品を利用する場合、トータルのたんぱく質摂取量が多くなりすぎてしまう場合があるので、摂取量に注意する必要があります。
○食べ過ぎに注意
全体的な食事量が多く、脂質、糖質のとり方が多すぎると、体内でのコレステロール合成が高まってしまいますので、特定保健用食品を利用したとしても効果が見えづらくなってしまいます。
特定保健用食品をとったことで安心して食べ過ぎにならないように気をつけましょう。