特定保健用食品についてのご紹介、第7回目の今回は「血糖値が気になり始めた方の食品」についてご紹介致します。
血糖値とは?高血糖とは?
血糖値とは、血液中のブドウ糖の量(濃度)のことを言います。ブドウ糖は体のエネルギー源になる非常に重要なものです。特に脳細胞は通常エネルギー源としてブドウ糖しか利用しません。また、心臓を動かしたり、筋肉を動かしたり、体温を維持するためにもブドウ糖は必要です。
食事からとったブドウ糖は、膵臓から分泌されるインスリンによって利用されていますが、エネルギーとしてすぐに利用されるものは一部で、余ったブドウ糖は、肝臓や筋肉、また脂肪細胞などに蓄積されます。しかし、糖質のとり方が多すぎる状況が続くと、膵臓はフル稼働で働き続け大きな負担となります。負担がかかったままの状態はインスリンの分泌量の低下や感度が弱まり、その結果、余分なブドウ糖を処理することができず、血液中にブドウ糖が余ります。この状態が高血糖です。
高血糖になると・・・
血液中にブドウ糖が多い状態は血管に負担をかけ、動脈硬化などの要因となります。また、慢性的にブドウ糖が多い状態が続くと「糖尿病」になります。糖尿病の怖さは、網膜症、心疾患、脳血管疾患、神経障害、腎臓病などの様々な合併症です。
最近では、空腹時血糖は正常で、検診などでは異常なしとなっていても、食後に高血糖状態が長く続く「食後高血糖」の方も多いようです。食後高血糖ということは、インスリンの分泌が低下している、または感度が弱まっている可能性があり、注意が必要ということになります。食後高血糖を発見するために、通常の健診とともに、ブドウ糖負荷試験を受診すると宜しいでしょう。また、自分で検査できるものとして、家庭用の簡易型血糖測定器や、最近ではデジタルの尿糖計なども販売されています。
血糖値が気になり始めた方の食品とは?
血糖値が気になり始めた方の食品とは、食事と一緒にとることで
●ブドウ糖の吸収を緩やかにする働きがある食品
●糖類の消化吸収を遅延させる食品などです。
インスリンの分泌が遅れたり不足した場合でも、これらの食品をとることで、ブドウ糖の吸収を緩やかにさせ、食後の血糖値が急激に上がらないように働きます。
○商品例
・味噌汁
・飲料
・包装米飯
・スープ など
○利用されている成分
・難消化性デキストリン
・グァバ葉ポリフェノール
・小麦アルブミン
・L-アラビノース
・豆鼓エキス
(2006年11月15日現在)
注意点
○適量をとりましょう
大量にとったからといって、効果が倍増するというものではありません。また、とりすぎるとおなかが緩くなったりすることがあります。商品に書かれている目安量を参考に適量をとるようにしましょう。
○治療するものではありません
これらの食品は血糖値が気になる方の食生活をサポートする食品で、高血糖を治療するものではありません。
○食事と一緒にとる
食事と一緒にとることで、効果を発揮するものですので、
必ず食事と一緒にとるようにしましょう。
○血糖値が正常の人がとったら?
血糖値が正常な人がとっても、血糖値が下がりすぎてしまうということはありません。
○医師や専門家に相談しましょう
既に糖尿病の治療を受けている方や、血糖値の異常を指摘された方はあらかじめ医師などの専門家にご相談の上使用するようにしましょう。
○難消化性デキストリンを利用した食品
一過性の膨満感や排便回数の増加がみられる場合があります。
○食生活を見直し、肥満を改善、予防しましょう
まずは、日常の食生活を見直し、食べ過ぎ傾向や偏食、夜遅い飲食などが
続いている場合は改善させましょう。さらに、肥満傾向にある方ほど高血糖になりやすいので、健診などで肥満を指摘された方やお腹周りが太ってきた方は、減量にチャレンジしましょう。