徐々に日が短くなり、「今年はサンマが豊漁！」など秋の話題も増えてきました。また、旅行のパンフレットなどでは、味覚狩りツアーの案内が並ぶなど、秋を目前に楽しみが増えている方も多いのではないでしょうか。
秋の味覚狩りといえば、果物狩り、栗拾い、さつまいも堀り、きのこ狩りなど色々ありますが、特に果物狩りは採ったその場で食べ放題などもあり、非常に贅沢で魅力的な行楽のひとつではないでしょうか？
今回は、秋の果物狩りの代表「梨」に注目してみたいと思います。

梨の歴史

日本での梨栽培の歴史を辿ると、最古の記録は8世紀の「日本書紀」に記録されていて、五穀の助けになるように、栗や桑と一緒に栽培が推奨されたとされています。江戸時代には多数の品種が登場し、明治時代には二十世紀や長十郎、大正時代には新高、昭和には幸水、豊水などが誕生しました。
また、「梨（なし）」という名前は「無し」を連想させるとして忌み嫌われ、「ありの実」とも呼ばれていたようです。

梨の種類

梨はバラ科で、大きく分けると「日本梨」、「西洋梨（洋梨）」「中国梨」の３種類に分けられます。西洋梨と中国梨の特徴は
■西洋梨：ひょうたんのような形が特徴です。「追熟」をさせることで、甘みや香りが増し、
　　　　　果肉も柔らかくなり、美味しく食べることができるようになります。
　　　　　日本梨や中国梨と比較して、カロリーは高めです。
■中国梨：外見は、西洋梨のように見えますが、食感は日本梨のように
　　　　　シャリシャリとしています。

日本の梨には「赤梨」と「青梨」があります。それぞれの特徴は、
■赤梨：果皮が茶色で、成熟すると果皮にザラザラの斑点が目立つようになります。
　　　　これは、水分を果実に閉じ込める働きがあり、コルク層とよばれています。 
　　　　種類としては、「豊水」「幸水」があります。

■青梨：果皮が緑色で、果肉はきめ細かく、サクっとした食感が特徴です。
　　　　種類としては「二十世紀」「新世紀」があります。

梨独特の食感

梨には独特のざらつきのある食感がありますが、これは果肉に含まれる石細胞によるものです。石細胞は胃腸で消化されず、便通促進、整腸作用、コレステロール値の抑制といった食物繊維と同じ働きをします。

梨の栄養

梨のほのかな酸味はクエン酸やリンゴ酸です。クエン酸やリンゴ酸は疲労物質である
乳酸の分解を促進させる働きがある為、疲労回復に効果的です。
また栄養ドリンクなどにも入っている、疲労回復、スタミナアップ効果のある
アミノ酸「アスパラギン酸」も豊富に含んでいます。
さらに、体内の余分な塩分を排出する働きのあるカリウムも豊富です。

梨の効能

皆さんもご存知の通り、中国の医学では、食べ物の様々な作用を「薬膳」や「漢方」
として利用しています。また、それらが体のどこに効果があるのかを「帰経」
として表していて、梨は「肺経」に分類されています。つまり、梨はのどや肺を潤し
炎症をやわらげる効果があるされています。

梨の見分け方

■軸がしっかりしていて、重みがあるもの
■果皮の色が均一なもの
■黒い斑点や傷がないもの
■赤梨であれば、適度に赤くなっているもの、青梨であれば少し黄色っぽくなっているもの

梨のレシピ

●梨の白ワインゼリー●

【材料】4人分
・梨　1個
・レモン汁　小さじ2
・砂糖A　大さじ1/2　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
・白ワインA　90ml
・白ワインB　200ml　　　　　
・水　200ml
・ハチミツ　大さじ2
・砂糖B　大さじ2
・粉ゼラチン　8g

【作り方】
①梨は皮をむいて、食べやすい大きさのスライスにして、レモン汁をかけておきます。
②粉ゼラチンは小さじ3杯の水をかけてふやかしておきます。（5分程度）
③電子レンジ対応の器に白ワインAと砂糖①を入れて、砂糖を溶かしておきます。
④②に①を加え、ラップをかけて電子レンジで加熱します。（600Wで5分程が目安ですが、
　ワット数、時間は調節してください）加熱が完了したら、冷やしておきます。
⑤小鍋に水、ワインB、ハチミツ、砂糖Bを入れ火にかけます。（弱火）
⑥砂糖が溶けてきたら、②を入れます。（煮立たせないように注意！）
⑦ 湯気が少し上がるくらいで火を止めます。
⑧ ゼリー用の器に④を入れ、その上から⑦を注ぎます。
⑨ 冷蔵庫で冷やして完成です！