ダイエットを心がけている女性のみならず、ぽっこりお腹を気にする男性の共通のお悩みは“貯まった脂肪”でしょう。
先日コンビニで、“デカ盛りサイズのティラミス”と“脂肪を消費しやすくするお茶”を購入している男性を見かけました。神頼みならぬトクホ(特定保健用食品)頼み!?はたまた罪滅ぼしか!?「その気持ち、わかるっ!」と共感した方も多いのではないでしょうか。飛躍的に科学的進歩を遂げた現代にあっても、残念ながら“「これを食べれば痩せる!」という食品”は未だ、存在しません。
だからといって落胆することはありません。日頃の食生活を見直すだけでかなりの効果が期待できます。見直しのポイントはいくつかありますが、今回は“油”に注目してみます。
“油”はどれくらい摂っていいもの?
まずは、調理で使用する“油”について見てみましょう。
一般成人では以下となります。
●成人(30~40代 身体活動低い)の場合
・男性 20g (大さじ1と2/3杯)
・女性 15g (大さじ1と1/4杯)
次に挙げたものは、どれも同じくらいの量の油が使用されています。
さぁ、どれくらいかわかりますか?
・ロースカツ一人前
・某チェーン店の天丼一人前
・ポテトチップ1袋(60g)
・ファーストフードのフライドポテトMサイズ
答えは「約大さじ2杯」です。いずれか一品食べただけで成人が1日に必要な調理油の量を軽く超える量です。
しかし、どれもおいしいものばかりですので、誘惑に負けることもあるでしょう。
もし食べた場合は、その日の他の食事では油ものを避けるなど心がけてください。
食べてしまったものは“帳消し”にはできませんのであしからず。
油の摂り過ぎと言われる理由
調理に使う“油”ではなく、“脂質”としてみるとさらに摂り過ぎているのが現状です。
成人30~69歳の脂質からのエネルギー摂取割合は“20%以上25%未満”に留めておくのが望ましいとされていますが、現状は30~40代男性で約26%、30~40代女性で約28%と明らかに脂質からカロリーを摂り過ぎており、また特に若年層の脂質摂取は年々増加してきています。
“脂質”は肉・魚・種実類など食材そのものに含まれる油・脂も含みます。よって揚げ物、炒め物、オイル入りドレッシングなどを控えていても、食材や商品の選び方を間違えていると気付かぬうちに摂り過ぎている可能性があります。
これがいわゆる“隠れた油・脂”と呼ばれるものです。
おいしいものには罠がある!?隠れた油・脂
次に挙げたものは、全て同じくらいの油・脂が含まれています。
どれくらいかわかりますか?
・板チョコレート 3/5枚
・ショートケーキ 1個
・メロンパン 1個
・クロワッサン 1.5個
・ピーナッツ(約30粒)
・ごま 大さじ2杯
・豚バラ薄切り肉 1~2枚
・鮪トロ刺身 3切れ
・カレーのルー 一人前
答えは「約大さじ1杯」です。“ふんわり”、“サクサクッ”、“とろりとした口溶け”などはどれも美味しさの象徴ではありますが、残念ながらその美味しさを演出しているのは大概“油・脂”ですのでご注意ください。
油を控える調理時の工夫
では、油を控えるにはどうしたらよいでしょうか?調理における工夫を以下にあげてみました。是非できるものから実践してみましょう!
1.テフロン加工のフライパンを使う
炒めものをする際は、使用する油の量が少なくて済むよう、テフロン加工のものを使用するとよいでしょう。
2.揚げ物は素揚げにする
“衣”が多いほど油を多く吸収しますので、揚げ物の中では“素揚げ”がおすすめです。
3.材料は大きめに切る
材料の大きさが小さくなるほど、油と接する表面積が増えるので油を吸収しやすくなります。
手早く火を通そうと、材料を小さく、細く切りがちですがご注意ください。 (大きめに切った材料は、電子レンジの利用や下茹でなどであらかじめ火を通しておき、“炒め”による油の使用は“香ばしさ”を付ける程度にしておくとよいでしょう。)
4.脂を落とす
脂を多く含む肉や魚であっても調理の工夫で軽減することは可能です。
【方法1】肉の場合、脂の白い部分を取り除いてから調理
“バラ薄切り肉”など取り除くことが困難な場合は、余分な脂をキッチンペーパーでふきとりながら焼く、もしくは、沸騰した湯に通すと、余分な脂を取り除くことができます。
【方法2】網焼き
網で焼くことで、余分な脂を落とすことができます。