早いものでもう年末ですね。12月は冬至もあり、寒さも一段と増してきます。冬至といえば、昔からゆず湯に入る習慣があります。今回は、今が旬のゆずの効果をご紹介します。
ゆずの種類
ゆずは中国揚子江上流域が原産地とされていて、日本には奈良時代もしくは飛鳥時代に来たと言われており、当時は薬用などの用途で栽培されていたようです。
現在の日本で栽培されるゆずには主に3種類あります。
【木頭系】
「本ゆず」とも言われており、耐寒性は柑橘類で最も強く、日本の風土に適し栽培しやすい品種です。果皮、果汁ともに芳香が強く、料理向けのゆずです。
【山根系】
早期結実品種として栽培されるゆずです。本ゆずには劣りますが、果皮、果汁ともに芳香が強いです。
【多田錦】
無核・種無しゆずとして栽培されます。果実は本ゆずより小さめで、香りもやや劣りますが、果汁は多めです。
現在多く出回っているものは木頭系の「本ゆず」です。
なぜ冬至にゆず湯?
冬至とは、一年中でもっとも昼が短く、夜がいちばん長くなる日を言い、
12月22日頃と言われています。
なぜ冬至にゆず湯に入るのかというと、ゆずには体を温める効果があるのです。ゆずの皮に含まれる精油成分(リモネン)は、血行を促進させる働きがあり、お風呂に入れると身体を芯から温めます。新陳代謝も活発になるので、疲れや痛みもとれ、冷え性にも効果があります。
そのゆず湯の効果と、「冬至」と「湯治(とうじ)」がかけられているため、ゆず湯に入って温まり、『一年中風邪をひかないように』という願いもこめられているようです。
柚子の選び方、保存方法
●選び方のポイント
色が鮮やかでしなびていないものを選ぶことがポイントです。 表面に傷や黒ずみがないことが大事であり、傷があるとそこから傷んできて腐りやすいので注意しましょう。
●保存方法
短期の保存では、涼しい冷暗所や野菜室にて保存します。 柚子を長期保存するには、皮と実を分けて冷凍や乾燥させて保存することがおすすめです。 今回は冷凍での保存方法をご紹介します。
【皮】
皮を薄くむいてから細く切り、小分けにしてラップに包み容器に入れて冷凍保存します。使用するときに解凍せずそのまま使えますが、冷凍前よりも香りは多少落ちてしまいます。
【果汁】
絞ってから、製氷皿などの小分けにできる容器に入れ冷凍します。小分けにしておくと、使用するときに便利です。
ゆずの栄養
ゆずには、ビタミンCやクエン酸などが豊富に含まれています。
●ビタミンC
免疫力を高め、この時期の風邪予防に効果的です。
そしてゆずには、ビタミンPいう成分も含まれており、ビタミンCの
吸収を助ける働きがあるので、ビタミンCを効率的に摂取できます。
ビタミンCが多い食品として「レモン」はよく知られていることですが、ゆずもレモンと同じぐらいのビタミンC量が含まれています。
100gあたり | ゆず(果汁) | レモン(果汁) | オレンジジュース (100%) |
ビタミンC(mg) | 40 | 50 | 22 |
●クエン酸
疲れの元となる乳酸を再利用して、体内の乳酸を減らしてくれるため、疲労回復効果があります。また、唾液や胃液の分泌を促進するため、これに伴い食欲もわき、消化吸収もよくなります。
また、ゆずの果皮には血行をよくして体を温めるリモネンや、粘膜を強くし風邪予防に効果があるβ‐カロテンが多く含まれています。この時期にふさわしい果実ですね。
おすすめレシピ
ゆずをまるごと手軽に使えるレシピをご紹介します。
●ゆずはちみつ漬け●
【材料】 保存瓶(500ml)1本分
ゆず 2~3個(100~150g)
はちみつ 1カップ(280g)
【作り方】
① ゆずは良く洗い、皮の部分をそぎとって細切りにし、中味は種を取り除き果汁を絞る。
② 細切りにしたゆず皮をたっぷりのお湯でさっと茹で、水洗いしたら水気を良くきる。
※ゆず皮を茹でると、ゆず独特の苦味が抑えられます。
③ 保存瓶を用意し、はちみつ、果汁、②で茹でた皮を入れ、冷蔵庫で1日程置く。
保存料を使っていないため、冷蔵庫で2~3ヶ月程を目安に召し上がって下さい。 まるごと食べることが少ないゆずですが、「ゆずはちみつ」として保存しておくことによって、果皮と果汁両方の良い健康成分をとることができます。様々な料理に活用してみてください。
~ゆずはちみつ漬け 活用例~
ゆずの味だけでなく、香りも楽しめます。
●ゆず茶●
「ゆずはちみつ漬け」を大さじ1に対して、3~4倍のお湯で割ります。
お好みで濃さは調整して下さい。
※生姜を加えてもおすすめです。ゆずだけでなく生姜の効果も加わり、より一層体を温める効果が期待できます。