まだまだ残暑が続いていますが、少しずつ秋に近づいてきていますね 。
美味しい食材も増えてくる時期です。
今月は、「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざもある茄子の栄養やお勧めレシピについてご紹介します。
茄子の由来
茄子は、奈良時代に奈須比(なすび)として伝わりました。
土地によっては現在もそう呼ばれることがあります。
呼び名が「奈須比」ではなく「茄子」が一般的になったのは、宮中の女官言葉が始まりのようです。
秋茄子とは、旧暦の秋を指し、現在でいう8~9月に収穫される茄子のことで、皮が薄く、
実がしまっています。晩夏から初秋はまさにナスの旬です。
「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざの由来は、3つあるといわれています。
1.秋なすは特に味がよいので、憎い嫁に食わすなという姑の嫁いびりをいったもの。
2.からだが冷えるので大切な嫁に食わすなといったもの。
3.種子が少ないので、子種が少なくなるから嫁に食わすなといったもの。
一般的には美味しい秋茄子を食べさせるのはもったいないという意味で使われることが
多いです。それだけ昔から、秋茄子は美味しい食材として伝わってきているのです。
美味しく食べるためのコツ
茄子は焼く、蒸す、煮る、炒める、揚げる、漬けもの、そのまま生でもなど、
どんな調理方法でもおいしく食べることができます。
その中でも、茄子は油と相性がよく、油を使った料理は特に美味しいです。
茄子自体は水分が多く、油をよく吸収する性質があるため、果肉がスポンジのように
油を吸収します。そして、調理油で表面がコーティングされ、色素成分であるナスニンという
成分の損失が抑えられます。
このように油で炒めるとツヤがよく変色しにくくなり、風味良く仕上がります。
煮物にするときでも、最初に油で炒めてから煮ることがお勧めです。
茄子の栄養・効果
茄子は、水分が多く、低カロリーでヘルシーな野菜です。茄子の栄養の特徴としては以下の2つがあります。
●ポリフェノール
ポリフェノールとは植物に多く含まれる色素や苦味の成分です。
茄子の色素成分であるナスニンは赤ワインと同じアントシアニン系のポリフェノールです。
このポリフェノールとは、老化の原因の一つとも言われている「活性酸素」を撃退する
強い抗酸化作用の働きがあります。
眼の健康維持や、細胞やコレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化の予防、老化に対する
予防効果などが期待できるといわれています。
●カリウム
体の中の水分量を調節し、血圧を正常に保つ働きがあります。
利尿作用でむくみを改善したり、体を冷やす作用もあります。
茄子は夏野菜の中でも、体を冷やす効果が強いと言われております。
そのため、夏バテになりそうな時や、体のほてりが強いときなどに食べるのがお勧めです。
選び方・保存方法のポイント
【選び方】
ヘタの切り口が新しく、トゲにさわると痛いくらいとがっているものが新鮮です。
選び方のコツは以下の通りです。
・実にはりがある
・皮はつやがあり、色は濃紫色
・切り口がみずみずしいもの
【保存方法】
風に当たるとしなびやすいため、風味が落ちないように保存をしましょう。
また、低温に弱いため冷蔵庫に入れると果肉も皮も固くなってしまうのでご注意を。
・常温保存ならビニール袋又は新聞紙に包んで保存(2~3日は保存可能)
・冷蔵庫で保存するときはラップに包んで野菜室にて保存
おすすめレシピ
茄子の色素がもっている抗酸化作用を、さらにアップさせる料理をご紹介します。
●茄子とトマトのチーズ焼き●
【材料】1人分・茄子 1本(80g)
・トマト 1/2個(75g)
・ピザ用チーズ 大さじ2(12g)
・にんにく 1/3片(3g)
・オリーブ油 大さじ1/2
・バター 少々
・塩 少々
・胡椒 少々
【作り方】
①茄子は1cm位の輪切りにする。にんにくは包丁の背で潰す。
②トマトは薄切りにカットする。
③フライパンにオリーブ油をひき、にんにくを炒め、香りがしてきたら、茄子の両面をさっと
炒める。
④耐熱皿にバターを薄く塗り、③の茄子とトマトを交互に並べる。
⑤茄子と一緒に炒めたにんにくをのせ、塩・胡椒をふり、ピザ用チーズをかける。
⑥オーブン又はトースターで、チーズが溶けるまで焼く。
【ポイント】
茄子と同様に、トマトにも「リコピン」というポリフェノールが含まれています。
一緒に摂ることで、さらに抗酸化作用がアップします。
また、茄子をオリーブ油で炒めることにより、ナスニンの損失が抑えられ、色合いも綺麗に仕上がり、食欲をそそります。 是非、試してみて下さい。