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栄養コラム

食べ過ぎを防ぐ一工夫

No.95

2011年11月1日

管理栄養士 木村 愛

食欲の秋ということで、旬の美味しい食材も増えてきましたね。美味しいものが多い時期ということもあり、ついつい食べ過ぎてしまうことはありませんか。
今回は、食べ過ぎを防ぐコツをご紹介します。taberu


食べ過ぎてしまう食べ方

空腹の時や美味しいものは、特に食べ過ぎてしまうことが多くなってしまいます。
他にも食べ過ぎに繋がってしまう以下のような食べ方もあります。
思い当たることがあれば要注意です。

●早食い
短時間で食べてしまうことにより、満腹感を感じづらく、食べすぎに繋がります。

●どか食い
必要以上に食欲を刺激することによって、一度に沢山の量を食べてしまいがちです。

●ながら食い
テレビを見ながら、新聞を読みながらなどの食事は自分が食べた量の自覚や意識がなく、
思った以上に食べていることが多いです。

●なんとなく食い
まだお腹がすいていなくても、あるいは食欲がなくても、目の前に食べ物があると、なんとなく
食べてしまうこともあります。必要以上に食べてしまう行動の一つです。

●残せない主義
「出されたものは残せない」というタイプは、自分の適量を越えて、食べ過ぎてしまいやすく
なります。


食べ過ぎないための工夫

食べ過ぎは、カロリーオーバー、つまり肥満につながる原因となります。
食べ過ぎを防ぐために、「腹八分目に医者いらず」といわれるように、お腹に少し余裕をもたせて食べる習慣が大切です。食べ過ぎないための工夫をご紹介します。

①ひと口ごとに箸を置く
食べ過ぎてしまう人のほとんどは、食事が終わるまで箸を持ったままの状態となっています。
箸を持ったままだと、次から次へと食べ物を口へ運んでしまい、食事量が多くなって
しまいます。 食事の量を制限する前に、食事中に必ず箸を置いて、ゆっくり食べるように
してみましょう。
一般的に満腹感を感じるのは食べ出してから20分後程度と言われています。ゆっくり食事を摂ることにより、満腹中枢が刺激されるので、食べすぎを防ぐことにつながります。

②よく噛む
よく噛むことを意識しましょう。咀嚼は満腹中枢を刺激させる作用があります。
まずは最低でも一口20回、できれば30回ほど噛むように意識しましょう。

※ご飯食の勧め
ご飯食は、パンや麺類などのほかの穀類と比較すると咀嚼回数が多くなります。
主食をご飯中心にしてみましょう。

③「主食+主菜+副菜」
単品料理やおにぎり、トーストのみのような食事も早食いになりがちです。
食べ過ぎないためには、「主食+主菜+副菜」といった定食スタイルの食事がお勧めです。
品数が増えることにより早食いを防ぐことができます。
麺や丼などの単品料理の時は、サラダなどの副菜をつけるようにしましょう。
コンビニやスーパーのお惣菜を買って食べる際も、上記のような組み合わせを活用してみて下さい。teisyoku

④汁物や野菜料理を最初に食べる
食事のときに、まず汁物やサラダやお浸しなどの野菜料理から食べることも食べ過ぎ防止に
繋がります。

●汁物
胃の中に水分が入ることで、空腹感が緩和されます。

●野菜料理
野菜だけでなく海藻類、きのこ類もおすすめです。

野菜、海藻類、きのこ類には食物繊維が多く含まれています。この食物繊維が、
胃で水分を吸収し膨らむことにより、消化・吸収を遅らせ、食べ過ぎを防ぐことができます。
また、食べ過ぎを防ぐだけでなく以下の効果も期待できます。

・野菜などに含まれる食物繊維によって血糖値の急上昇を防ぐ。
・食物繊維によって余分なコレステロールの吸収を防ぐ。
            nimonosalada

※注意事項
味噌汁やスープなどの汁物や、濃いめの味付けの煮物などが多くなると、塩分の過剰摂取に
なる可能性があります。汁物は1日1杯、また煮物などの味付けは薄めを心がけましょう。

食事内容を大きく変えるのではなく、いつもの食事に少しの工夫をするだけで
食べすぎを防ぐことが出来ます。ぜひ試してみて下さい。


おすすめレシピ

食べ過ぎを防ぐ為に、旬の食材を使用した咀嚼アップレシピをご紹介します。

●野菜たっぷりクラムチャウダー●

【材料】1人前soup
シーフードミックス(いか、あさり)  30g
れんこん  2cm程度(約25g)
にんじん  1/4本(約30g)
ごぼう  4cm程度(約25g)
ブロッコリー  小さめ2房(30g)
ベーコン  1/2枚(約10g)
牛乳  100ml
薄力粉  小さじ2
固形ブイヨン  1個
塩、胡椒  適宜
バター  小さじ2
サラダ油  大さじ1/2
水  1カップ(200ml)

【作り方】
① 食材の下処理をする。
  れんこん、にんじん、ごぼう:1cm角に切る
  ブロッコリー:一口サイズに切り、さっと茹でておく
  ベーコン:1cm幅に切る
② 鍋にサラダ油をひき、ベーコンをサッと炒める。炒めたら別の容器に取り出しておく。
③ ②の鍋の油をそのまま使い、れんこん、にんじん、ごぼうを加え、サッと炒める。
④ ③の鍋に水を加え、煮る。
  ※噛み応えを残す為に、煮すぎないように気をつけましょう。
⑤ ホワイトソースを作る。別の鍋にバターを入れ、溶けてきたらふるいを通して
  小麦粉を加える。その後、常温の牛乳を加え、とろみが出てくるまで混ぜる。
⑥ ④の鍋に①で茹でたブロッコリー、②で炒めたベーコン、⑤のホワイトソースを加える。
⑦ 最後にシーフードミックスを加えて、さっと火を通し、塩、胡椒で味を整える。

【ポイント】
シーフードミックスは、噛み応えがある「いか」や「あさり」がおすすめです。そして、やや大きめに食材を切ることで、より噛み応えがアップします。また、汁物のため、この一品で食べ過ぎ防止にも繋がります。 冷え込んできたこの時期に、特におすすめの一品です。