日に日に寒さが増し、冬はもう、すぐそこまで来ているようですね。
年末に近づき、そろそろおせち料理を考える時期となりました。
穴が空いていることから「先が見通せる」としてお節料理やお祝い事に欠かせないれんこんは今が旬です。
今回はれんこんについてご紹介します。
れんこんの歴史
れんこんの花、蓮(ハス)は仏教と深い関係にあり、お釈迦様の誕生を告げて咲いたとの言い伝えがあります。寺院の境内には蓮池が設けられることが多く、泥水の中でも美しい花を咲かせます。蓮は清らかに生きる人間のあるべき姿にたとえられ、仏教の象徴としても扱われています。
また、一度は聞いたことのある「ナンミョウホウレンゲキョウ」というフレーズ。漢字で書くと「南無妙法蓮華経 」です。お経名にも登場するほど、蓮は仏教と馴染みが深いのです。
日本へは奈良時代に仏教とともに伝えられました。花たく(花の中心部)がハチの巣に似ていることから「はちす」と呼ばれ、始めは観賞用でしたが、鎌倉時代以降食用となりました。れんこんは漢字で書くと「蓮根です」。根と思われがちですが、蓮の地面より下にある茎が肥大したものです。
れんこんの栄養
れんこんはとても栄養価の高い野菜です。
主成分は炭水化物。野菜の中ではエネルギーが高いのが特徴的です。
ご飯やパン、麺類と同じように炭水化物が含まれているので、食べ過ぎには注意が必要です。
小鉢1杯分程度にすると良いでしょう。
特に注目して頂きたい栄養成分が以下の2つです。
① ビタミンC
ビタミンCが豊富で、みかんの1.5倍に相当する量が含まれています。
・みかん100gあたり32mg
・れんこん(生)100gあたり48mg
(五訂日本食品標準成分表による)
また、他の野菜料理と比較してみても優れています。
・れんこんのきんぴら(小鉢1個分):29mg
・野菜サラダ(レタス、きゅうり、トマト:片手1杯分):9mg
ビタミンCの1日の目標摂取量は100mgです。(日本人の食事摂取基準2010年版による)
れんこんをおかずの1品に取り入れると、1日の目標量の1/3弱をとることができます。
ビタミンCは風邪を予防し、肌や皮膚の老化を防ぎます。
② 食物繊維
不溶性食物繊維(水に溶けないタイプ)が多く含まれています。
胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激して運動を活発にし、便通を促進します。
れんこんの選び方
以下のようなれんこんを選ぶと良いでしょう。
●丸く、ふっくらとしているもの
●ずっしりと重量感のあるもの
●穴が小さいもの
●皮に色むらや傷のないもの
●切り口が白くて、ツヤのあるもの
れんこんの保存方法
れんこんは田んぼの中にあるため、光や空気、乾燥を嫌います。
水で湿らせた新聞紙で包んだり、穴の中を空気が通らないように、ラップで包むなどして、
冷蔵庫で保存しましょう。
色よく仕上げるためには
れんこんの切り口の変色が早いのはポリフェノールの一種「タンニン」が含まれているからです。
空気に触れるとすぐに黒ずみます。
●皮をむいたらすぐに水に漬ける
酸味が邪魔にならない料理の時は、切ったそばから酢水にさらすと、より白く仕上がります。
つける時間は、5~15分が目安です。
●茹でる時はお湯に酢を数滴加える
酢を加えることにより、白くきれいに茹で上がります。
れんこんの調理法
れんこんは調理法によって様々な食感を楽しむことができます。
① シャキシャキとした食感を活かすには、薄切りにし、加熱を控えめにする。
② ホクホクした食感にするには、少し厚みをもたせて切り、煮物や炒り煮にする。
③ もちもちした食感にするには、すりおろして肉団子のつなぎや蒸し物などにする。
おすすめレシピ
普段使いの一品と、お正月にお勧めの一品をご紹介します。
●れんこんバーグ●
【材料】4人分
・豚挽肉 200g
・れんこん 250g
・生姜すりおろし 1かけ分
・塩 少々
・酒 大さじ1
・片栗粉 大さじ3
・油 適量
・大根おろし 適量
・ポン酢しょうゆ 適量
【作り方】
① れんこんは皮をむき、半分は粗めのみじん切りに、半分はすりおろして
軽く水けを絞る。
② ボールに①、豚挽肉、生姜すりおろし、塩、酒、片栗粉を入れ、良く混ぜる。
③ ②を平たく丸める。
④ フライパンに薄く油をひき、両面を焼いた後、蒸し焼きにする。
⑤ 器に盛り、大根おろしとポン酢しょうゆをかける。
【ポイント】
・和風、洋風、中華の全てに合います。
・れんこんをすりおろす時は金属製だと黒く変色してしまうので、プラスチックや陶製のものを
使うとよいです。
・材料を混ぜ合わせたら、肉団子にして、鍋やスープに入れても美味しいです。
●紅白れんこん●
【材料】半月切りのれんこん 8切れ分
・れんこん(直径6.5cm程度)4cm
・酢 少々
・明太子 1/2腹
・大葉4枚
【作り方】
① れんこんは、皮をむき1cm厚さに切り、酢水に放つ。
② 鍋にれんこん、かぶるぐらいの水、酢少々を入れ、中火にかける。
沸騰したら、火を弱め、2分程茹でる。
水にとり、粗熱がとれたら水けをふきとる。
③ 明太子は薄皮に切れ込みを入れ、中身のみを使用する。
④ お皿に明太子をひろげ、れんこんを上から押すようにして、
穴に明太子を詰める。
⑤ ④のれんこんを半月に切る。
⑥ 大葉は縦半分に切り、⑤を挟む。
【ポイント】
れんこん(白)、明太子(赤)、大葉(緑)と彩りのきれいな一品です。
れんこんを花型に切っても見た目を楽しめます。
形や色をアレンジしてみて下さい。