すっかり春らしい温かい季節となりましたね。
4月は新年度が始まる月ということもあり、気持ちを新たに頑張ろうと意気込んでいる方も多いのではないでしょうか。新しいことにどんどんチャレンジしていきましょう。
今回は、昨年流行語大賞にも選ばれ、よく耳にするようになった塩麹やしょうゆ麹の「麹」についてお話したいと思います。
麹って何?
麹とは、米や麦などの穀類や豆類に、「コウジカビ」をつけて繁殖させたものです。
「米」にコウジカビをつけて繁殖させたもの→米麹
「麦」にコウジカビをつけて繁殖させたもの→麦麹
「豆」にコウジカビをつけて繁殖させたもの→豆麹
コウジカビは、人に有用な働きをするカビの代表とされ、様々な発酵食品に使用されています。米麹は、塩麹・甘酒・味噌・漬物など幅広く使われています。麦麹は、粒が残りやすいので味噌に使われることがほとんどです。また豆麹は、手に入りづらい麹で、赤味噌を作るときに使われます。
ほとんどの発酵食品が米麹を使用しており、日本の食文化には欠かせない存在です。塩麹やしょうゆ麹にも使われている、米麹の特徴についてご紹介します。
米麹の特徴・効果
①食品が美味しくなる
米麹には、食品の旨みや甘みを増やしたり、食品を柔らかくすることに関わる酵素が
100種類以上含まれ、酵素の宝庫と呼ばれています。
*酵素の働き*
●食品に旨みをもたらす
→アミノ酸を作る酵素であるぺプチダーゼが、旨み成分であるグルタミン酸を増やして
くれます。
●食品に甘みをもたらす
→デンプン分解酵素であるアミラーゼが、甘み成分であるブドウ糖や麦芽糖まで分解
し、甘みを引き出してくれます。
●食品をやわらかくする
→たんぱく質分解酵素であるプロテアーゼが、筋肉の繊維をバラバラにすることで肉や
魚が柔らかくなり、消化吸収もよくなります。
食品を米麹に一晩つけておくと、このような多くの酵素が働き、元の食品をより一層
美味しい食品にしてくれます。
②食品が栄養豊富になる
米麹は、発酵食品をつくるために利用されるもので、米麹そのものを食べることはありま
せん。
発酵食品を作る過程で、乳酸菌や酵母などの微生物の働きも加わり、栄養の豊富な食品に
なります。
*生み出される栄養成分・働き*
●ビタミンB群
(ビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸など)
→疲労回復や神経系を正常に保つなど
●アミノ酸
(特に必須アミノ酸が豊富:バリン、ロイシン、トリプトファンなど)
→免疫力向上、肌の再生を助ける、肝機能の改善など
③腸内環境を整える
米麹を使った発酵食品には、乳酸菌が含まれる場合が
多いといわれています。
乳酸菌は腸内環境を整える「整腸作用」で知られてお
り、便秘解消や美肌効果、免疫力を上げるなどの体質
改善効果があります。
米麹を用いた塩麹・しょうゆ麹の特徴
現在調味料として注目を浴びている塩麹やしょうゆ麹は、米麹の効果に加え、減塩にも
役立ちます。
食品別 塩分
食塩 | しょうゆ (濃い口) | 塩麹 | しょうゆ麹 | |
塩分(%) | 99 | 14.5 | 12~15 | 10~12 |
上記の表のように、塩やしょうゆよりも、麹の方が、塩分が低く、減塩には良い食品
です。
また、麹が食材の旨みを引き出してくれるため、少量でも味がしっかり付くので万能調味
料とされています。
野菜の和え物に使用したり、そのまま豆腐などにかけたり、簡単に使うことができます。
塩麹を利用したおすすめレシピ
簡単に作れて、保存が効く万能レシピをご紹介致します。テレビや雑誌などでも多く取り
上げられている注目レシピです。
●塩麹きのこ●
【材料】
・エリンギ ・・・1パック
・舞茸 ・・・1パック
・しめじ ・・・1パック
・酒 ・・・大さじ1
・塩麹 ・・・150g
【作り方】
1、エリンギは食べやすい大きさに切り、舞茸としめじは石づきをとりほぐしておく。
2、1を耐熱容器に入れ、酒を入れた後、ラップや蓋をしてレンジで4~5分ほど
蒸し煮にする。
3、エリンギ、舞茸、しめじがしんなりしたら、レンジから取り出し荒熱をとる。
4、荒熱が取れたら密閉容器に汁ごと全て入れ、塩麹を加える。
5、冷蔵庫で一晩寝かせれば完成。
※冷蔵庫で2~3週間保存が可能です。
※塩麹は作り方や市販の商品によって塩分が違う為、量を調節して使ってください。
入れすぎるとかなり味が濃くなってしまう場合があります。
「塩麹きのこ」を使ったアレンジメニュー
・塩麹きのこ+トマト
→トマト1/2個を薄切りにして、塩麹きのこを大さじ2のせる
・塩麹きのこ+冷奴
→豆腐1/2丁の上に、塩麹きのこを大さじ3のせる
・塩麹きのこ+豚肉
→塩麹きのこ大さじ2に豚肉ロース肉(100g)を漬け込んだ後、玉ねぎと一緒に炒める
このようにどんな料理に入れても美味しくいただけます。
日々の食事に麹を使った料理を取り入れてみてはいかがでしょうか。