梅雨も続きじめじめとした日が多いですが、夏ももうすぐそこです。
そんな時期に爽やかな香りで食欲を増進させてくれる「青じそ」をご紹介します。和風ハーブとよばれ、香味野菜として日本料理には欠かせない食材です。
しその種類
しそは中国・ヒマラヤ一帯が原産といわれ、日本では縄文時代の遺跡からしその実が出土しており昔から馴染みの深い食材です。
しそには多くの品種がありますが、その中でも食用とされているのが「青じそ」と「赤じそ」です。
青じそ
青じその葉は緑色で大葉とも呼ばれ、一年中スーパーに出回っていますが、旬は7月~8月の野菜です。天ぷらや刺身のつま、薬味として料理に用いられています。香りが高く細かく刻むとより一層香りが強くなります。
赤じそ
梅干しや紅生姜の色付けなど加工品に多く使われているため、6月~7月の梅の収穫時期に合わせてスーパーに出回ります。赤しそのシソニンという成分が梅のクエン酸と反応して赤色に発色します。梅の着色に使った赤じそを干して乾燥させ、細かくしたものが「ゆかり」です。
青じその効果
しそはビタミン・ミネラルが豊富で、古くから鎮静・解熱作用があると言われ、漢方に用いられている食材です。それ以外にも近年さまざまな効果があると言われています。
○食欲増進・防腐作用
しその香り成分である「ペリルアルデヒド」はその強いにおいから嗅覚を刺激し、胃酸の分泌を活発にさせることで食欲を増進させます。料理のおいしさを高めるので食品添加物としても菓子などに使用されることもあります。また高い防腐作用があり食中毒を予防します。昔から刺身のつまや添え物によく使われるのは魚の新鮮さを
保つ為でもあったのです。気温が高いため、食欲が落ちやすく、食
材が傷みやすいこの時期には積極的に使いましょう。
○アレルギー防御作用
しそに含まれるポリフェノールの一種であるロズマリン酸はアレルギー症状をやわらげる作用があるといわれています。アレルゲンへの過剰な反応やそれによる炎症を抑えるということから、アレルギーや花粉症への効果が期待されています。
青じそを使った郷土料理
○しそ巻き
味噌を青じそで巻き、揚げたり焼いたりしたもので、東北地方でよく食べられています。味噌の風味を生かしたものから、クルミや胡麻を混ぜたもの、甘いものから辛いものまでそれぞれの地域で様々な味があります。
○だし
山形の郷土料理で、きゅうりやなすなどの夏野菜としそやみょうがなどの香味野菜をみじん切りにして醤油で和えたものです。オクラや昆布を入れ、ねばりを加えたものもあります。温かいご飯にかけて食べます。
○冷や汁
宮崎県の郷土料理で、焼いてすり潰した白身魚と焼き味噌を用いて作った味噌汁のような汁を、ご飯や麦飯にかけて食べます。忙しいときや食欲のない夏でも簡単に食べやすく、栄養がとれる食事として食べられていました。
青じその選び方と保存方法
○選び方
濃い緑色で変色や斑点がないもの
葉先がピンとしているもの
香りが強いもの
切り口が新鮮なもの
○保存方法
水で湿らせたペーパータオルでしそを包み、ビニール袋などに入れて密閉し保存します。
または瓶やグラスに水を少し入れ、しその茎をつけて保存します。
水分を保ってあげると新鮮さは長持ちします。
おすすめレシピ
宮崎の郷土料理である冷や汁をご紹介いたします。
●冷や汁
【材料】2人前
・あじの干物・・・40g(1/2匹)
・白ゴマ・・・12g(大さじ2)
・味噌・・・30g(大さじ2弱)
・水・・・300cc(1.5Cup)
・木綿豆腐・・・50g(1/5丁)
・きゅうり・・・25g(1/4本)
・青じそ・・・4枚
・みょうが・・・1個
・ご飯・・・2杯分
【作り方】
1.あじは焼いて身をほぐします。豆腐は水切りをしておきます。
2.きゅうり・みょうがは輪切りに薄くスライスし、青じそは千切りにしておきます。
3.ゴマをすり鉢ですり、ほぐした魚を加えて混ぜます。
4.3.に味噌を加え、混ざったら器やアルミホイルにうつし、オーブントースターで
少し焦げ目がつくように焼きます。
5.4.の味噌をすり鉢に入れ、水を加えて溶き、そこへ水切りした豆腐を手で
ちぎりながら加え、きゅうり、青じそ、みょうがを混ぜます。
6.5.をご飯にかけてお召し上がりください。
※お好みでアレンジしましょう
○あじの干し物→いりこや他の白身魚の干物などに変える
○水→お好みのだし汁に変える
○野菜→オクラや茄子など自宅で余った食品を追加する
材料を少し変えるだけで、味に深みが増しおいしくなります。宮崎の郷土料理の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。