4月に入り新年度が始まりました。徐々に気温も上がり、すぐに夏が来てしまいそうですね。
今回は、最近健康効果が期待できる油として話題になっている「亜麻仁油(アマニ油)」についてご紹介します。
亜麻仁油の原料「亜麻」について
亜麻仁油の原料である亜麻は、比較的寒い地方で栽培され、春から夏にか
けて青紫色から白色の花を咲かせます。 主にカナダやアメリカ、ニュージーランドで生産されており、日本でも北海道で栽培されています。亜麻の茎部分は、繊維が豊富で衣類や下着などに用いられ、 肌触りの良い繊維として使われています。亜麻の種子は、食物繊維が豊富で栄養価が高く、そのままシリアルなどにして食べたり、製粉してパンやケーキ、焼き菓子などに用いられたりしています。 そして亜麻の熟成した種子から抽出
されてとられた液体が「亜麻仁油」です。
亜麻仁油の特徴
亜麻の種子からとられた「亜麻仁油」は、黄色っぽい液体で、味はあまりクセのない油です。油の中でも最も酸化しやすく、50℃以上での長時間の加熱や紫外線に弱いため、加熱調理や長期保存にはむかない油です。 また、空気に触れると固まる性質を持っています。そのため、亜麻仁油は食用だけでなく、長時間沸騰し酸化させたものを木工品の仕上げやつや出しなどの塗料や油彩などにも使用されています。
亜麻仁油の栄養成分と効果
健康効果が期待されている亜麻仁油には、n-3系不飽和脂肪酸と、ポリフェノールの一種である「リグナン」という成分が豊富に含まれています。
●n-3系不飽和脂肪酸
n-3系不飽和脂肪酸は、細胞膜など身体の仕組みをつくるのに重要な成分であり、体内で生成することができないため食品から摂取する必要がある必須脂肪酸です。主に魚の油や植物性の油に豊富に含まれており、DHAやEPA、α-リノレン酸が代表的な成分です。これらは、中性脂肪を減らし、善玉(HDL)コレステロールを増やしたり、血栓を防ぎ血液の流れを良くしたりする働きがあるため、動脈硬化予防や改善に良い成分です。
身体には重要な成分であるn-3系不飽和脂肪酸が豊富に含まれている亜麻仁油を他の油と比較してみました。
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普段使用している油に比べるとn-3系不飽和脂肪酸がかなり多く含まれていることがわかります。日本食事摂取基準(2010年版)では、n-3系不飽和脂肪酸の1日の目標量が定められています。
・成人男性2.6mg以上、成人女性2.2mg以上亜麻仁油小さじ1杯で、1日の目標量を達成することができます。
●リグナン
リグナンは、体内では女性ホルモンのエストロゲンと同様の働きがあり、更年期障害の改善や骨粗しょう症予防をする働きがあります。また、LDLコレステロールの分解と排泄を促したり、HDLコレステロールの合成を促したりと脂質代謝の改善にも良い成分です。
亜麻仁油の使用方法
亜麻仁油は、酸化しやすく、加熱調理にはむきません。味にクセがないためそのまま食品や料理にかけたり、酢や塩・こしょうなどを足してドレッシングにしたりして使用しましょう。また、お茶や ジュースに入れたり、スープなどの汁物に入れてもコクが出ておいしくいただけます。
おすすめレシピ
料理や食品にかけたりすることが多い亜麻仁油ですが、野菜やきのこなどと和えてナムルにするのもおすすめです。今回は、春が旬のにらを使用したナムルをご紹介します。
●にらともやしのナムル
【材料】(2人前)
・にら・・・1/2束
・もやし・・・2/3袋
・にんじん・・・1/4本
・かけ汁
a. おろししょうが ・・・少々
b. おろしにんにく ・・・少々
c. しょうゆ ・・・小さじ2
d. 砂糖 ・・・小さじ2/3
e. 亜麻仁油 ・・・小さじ1
【作り方】
1. もやしは、ひげ根をとり除き、にらは5cm程の長さに切り、にんじんは千切りにして
おきます。
2. 耐熱皿にもやし、にら、にんじんを入れ、ラップをして電子レンジ600wで約2~3分ほど
加熱します。
※電子レンジを使わない場合は、湯を沸かし、それぞれさっとゆでます。
3. ざるに上げ、水気をきり、少し冷まします。
4. a~eの材料を混ぜ合わせ、かけ汁を作ります。
5. ボウルで3と4を和えて、完成です。
※お好みで、唐辛子やコチュジャンなどを加えてピリ辛にしても美味しくいただけます。