ヘルスケアトータルソリューションズ株式会社

TEL. 03-3962-5100

栄養コラム

ルバーブ

No.127

2014年7月1日

管理栄養士 田原 佳奈

梅雨のじめじめした気候もあと少しです。体調管理に気をつけて乗り越えていきましょう。
こんな時期に爽やかな酸味で体調を整えてくれるルバーブをご紹介します。
日本ではまだ馴染みの少ない食材ですが、欧米では人気の高い食材で、日本でも徐々に栽培がされるようになっています。

rhubarb1


ルバーブとは

ルバーブはタデ科の一種で、フキのように大きな葉と葉の軸があり、葉のrhubarb2軸である葉柄を食します。葉はシュウ酸を多く含むため食べることができません。和名をショクヨウダイオウと言い、漢方では腸の働きを活性化すると知られている「大黄(ダイオウ)」の一種です。
原産がシベリアであるため、生産地は寒冷地が多く、日本では北海道や長野、山梨などで生産されており、旬は初夏から初秋ごろです。最近では日本のスー
パーや物産館などでもみかけることが多くなりました。


ルバーブの特徴

○味
酸味が強いですが甘みもあり、あんずのような果物に似ています。
○歯ごたえ
生はシャキシャキとしたセロリみたいな歯ごたえですが、加熱するとすぐにやわらかくなります。
○色
種類によって異なり、「ビクトリア」という緑色をしたものや、「マクドナルド」という色鮮やかな赤色のものなどがあります。
○大きさ
植物自体の大きさは50cm~100cmほどありますが、食用にする葉柄は30cm~50cmが食べごろです。太さが3~4cmあるものもあり、初夏は太く、暑くなるにつれてだんだんと細くなる傾向です。


ルバーブの栄養

野菜の中でもカリウム、カルシウム、食物繊維を含んでいます。woman
なかでも野菜の種類でありながら、ペクチンというりんごやいちご、柑橘類に多く含まれる食物繊維を多く含んでいることが特徴といえます。
ペクチンはヌルヌルとした粘性が凝固される性質により、ペクチンの多い果物はジャムに加工されたり、食品に粘性や粘着性を加える食品添加物として利用されています。またペクチンのコレステロール値や血糖値の低下、便秘・下痢
の解消効果などの健康効果も期待されています。

 エネルギー
(kcal)
カリウム
(mg)
カルシウム
(mg)
食物繊維
(g)
ルバーブ24400742.5
きゅうり14200261.1
セロリ15410391.5

またアントシアニンといわれる赤色の色素成分には抗酸化作用があるため、紫外線や日常のストレスから増えてしまう活性酸素を除去し、血管や皮膚が障害されることを防いでくれますので、動脈硬化予防や肌荒れ予防などにも効果があると言われています。


ルバーブの使い方

張りやつやがあり、切り口がみずみずしい新鮮なものを使用しましょう。強い酸味があるので、砂糖などの甘味を足して食べられることが一般的です。また砂糖を加えるとペクチンの作用によってゼリー化するため、果物のようにデザートに使用したりジャムに加工して食べられることが多くなっています。


調理のポイント

・煮崩れしやすいため加熱しすぎないように注意し、固まりを残したい場合は少し大きめに
 カットしましょう。
・加熱してアクがでるので取り除きましょう。

○サラダ
1. ルバーブを4~5cmの長さに切って繊維に沿って薄くスライスします。
2. 水にさらしてからレタスなどの野菜とあわせます。
※暑い時期になるとシュウ酸が増え、えぐみやあくが増えるのであまり生食に向かない場合も
 あります。
 生食する場合は皮をむいてよく水にさらした方がよいでしょう。

○ジャムjam
【材料】ルバーブ・・・100g、砂糖・・・50g
1. 1.5~2cmにカットし、鍋に入れます。
2. 砂糖を加え、2時間~1日置きます。
3. ルバーブから水分が出てきたら、中火で加熱します。
4. 煮立ったら弱火にし、焦げないように注意しながらジャム状にします。
※砂糖の量はお好みで調整しましょう。

○コンポートpan
【材料】ルバーブ・・100g、砂糖・・・30g 
1. 2~3cmにカットし、鍋に入れます。
2. 砂糖を加え、2時間ほど置きます。
3. ルバーブから水分が出てきたら、中火で加熱します。
4. 沸騰したらルバーブを取り出し、鍋に残った水分を煮詰めます。
5. 水分が半分くらいになったらルバーブを加え、火を止めます。
6. ビンなどに入れ、冷蔵庫で冷やします。

なるべく早く使い切りましょう。生のまま保存するよりも調理して保存したほうが日持ちします。

<食べるときの注意点>
食べ過ぎや胃腸が弱い方は、下痢などになる場合がありますので注意しましょう。また、子宮収縮や母乳への影響もあると言われていますので、妊娠中や授乳中の方は控えましょう。