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栄養コラム

冬瓜(とうがん)

No.128

2014年8月1日

管理栄養士 田口 瑛里沙

暑さが厳しい8月となりました。夏バテなどはしていませんか。夏野菜を食べて残暑を乗り切りましょう。今回は、夏野菜「冬瓜(とうがん)」についてご紹介します。tougan


冬瓜とは

nastu冬瓜は、きゅうりやゴーヤ、スイカなどと同じウリ科の野菜です。
「冬」の「瓜」と書くのになぜ夏野菜かというと、夏に収穫したものでも冷暗所で保管しておけば、冬までもつことから「冬瓜」と名づけられたそうです。東南アジア地域が原産で、日本では沖縄県や愛知県など、日照りが良く暖かい地域で主に生産されています。冬瓜には、利尿作用があり、体内に溜まった余分な水分を排出させる働きがあることから、古くから漢方や薬膳料理などでも注目され、夏の薬膳の王様とも言われています。医食同源の国の中国でも冬瓜には、暑気を払い、熱を冷ます効果があるので、夏に良く食べられす。


冬瓜の特徴

長い楕円形で1玉の大きさは、長さ30~50cm、重さ5~10kgの大きい野菜なので、小さくカットして売られていることが多いです。また、現在では1~2kg程度の「ミニとうがん」も販売しているところもあり、1玉でも購入しやすくなっています。
皮は深緑で、身は白色をしています。味はとても淡白で、食感などは大根に似ています。


冬瓜の栄養

夏野菜の冬瓜は、全体の95%が水分でできており、低カロリーでダイエットに向いている食品です。なかでもカリウムやビタミンCが豊富に含まれ、身体に良い働きをします。

●カリウム
カリウムは、余分なナトリウムや水分を体外に排泄するため、身体にこもった熱を下げたり、むくみを解消したりする働きがあります。特に夏場は、汗とともにカリウムが失われやすく、カリウムが不足すると夏バテの原因になるため、摂っておきたい成分です。また、ナトリウムの排泄を促すため高血圧予防や、むくみによる水太りなども改善することができます。

●ビタミンC
夏の暑さや紫外線は、体内の活性酸素を増やし、体内のビタミンCを消費します。ビタミンCが不足すると免疫力が低下し、疲れがとれず夏バテの原因にもなるので、夏場にビタミンCを補給することも大切です。

冬瓜を果物や他の夏野菜と比較してみました。

食品ビタミンC(mg)
冬瓜39
夏みかん38
トマト15
ズッキーニ20
           (100g中)
eiyoushi

冬瓜のビタミンC量は、夏みかんと同等に含まれていることがわかります。また、他の夏野菜のトマトやズッキーニと比べると、約2倍ビタミンC量が多く含まれています。ほとんど無味である冬瓜に、柑橘系の果物の夏みかんと同等のビタミンCが含まれているのは驚きですね。


冬瓜の選び方

おいしい冬瓜を見極めましょう。tougan2
【1玉の場合】
・表面にキズや傷みがないもの
・緑色が深く鮮やかなもの
・持ったときにずっしりと重いもの
・表面が白く粉をふいているもの
(冬瓜の種類によって白くならないものもあります)

【カットされている場合】
・切り口がみずみずしく、真っ白いもの
・種の部分まで身がしっかり詰まっているもの


冬瓜の保存方法

1玉で保存をする場合は、貯蔵性が高いため、常温で風通しの良い冷暗所において置くだけで、数ヶ月は保存可能です。
カットされているものは、種とワタの部分を取り除いてラップで包み冷蔵庫で保存します。中心部分から痛みやすく、保存期間は1週間程度なので、できるだけ早めにお召し上がりください。また、皮をむいて種とワタを取り、使いやすい大きさに切って冷凍保存するのもおすすめです。


冬瓜の料理

みずみずしい冬瓜の実は、くせがなく、火を通すととろりとした食感になり、また味がしみ込みやすいので、だしを生かした料理に向きます。加熱するとのどを通りやすいことから、高齢の方からお子様にも食べやすい野菜です。
また、生でも食べられるので細切りにして大根サラダのようにしたり、角切りにしてキムチで和えてもおいしくいただけます。


おすすめレシピ

冬瓜のシャキシャキな食感を楽しめる「冬瓜サラダ」と、残暑も乗りきれる暑い夏にぴったりの
「冬瓜の冷製スープ」をご紹介します。

●梅干と大葉の冬瓜サラダ

【材料】(4人分)
・冬瓜 ・・・中1/3個(約600g)
・大葉 ・・・5枚
・梅干 ・・・小4個
・じゃこ ・・・20g(大さじ3杯)
・白ゴマ ・・・適量

【作り方】
1.冬瓜は皮をむいてワタをとり、千切りにして氷水にさらします。
2.梅干は種を取ってペースト状にし、大葉は千切りにしておきます。
3.ボウルに冬瓜、梅干、大葉、じゃこを入れ混ぜ合わせます。器に盛りつけ、香りづけに
  白ゴマをちらして完成です。

●冬瓜の冷製スープ

【材料】(2~3人分)reshipi2
・冬瓜 ・・・中1/9個(約200g)
・枝豆 ・・・約20さや
・たまねぎ ・・・1/4個
・牛乳 ・・・200cc
・水 ・・・100cc
・コンソメ ・・・1/2個
・塩 ・・・少々
・こしょう ・・・少々
・オリーブオイル ・・・大さじ1/2

【作り方】
1.冬瓜は皮をむいてワタをとって薄切りにします。たまねぎはみじん切りにします。
2、枝豆はゆで、さやから取り出しておきます。
3、鍋にオリーブオイルを入れ、たまねぎを炒め、透き通ってきたら、冬瓜と枝豆を入れ
  軽く炒めます。
  ※飾り用にゆでた枝豆を少しとっておきましょう。
4、3に水とコンソメを入れ、冬瓜がやわらかくなるまで10分程煮ます。
5、冬瓜がやわらかくなったら4の祖熱をとり、ミキサーにかけます。
6、全体がなめらかになったらボウルに移し、牛乳を加えて、塩、こしょうで味を調えます。
7、そのままボウルごと冷蔵庫で冷やし、器に盛り付け、飾り用の枝豆をトッピングして
  完成です。

【その他のおすすめのトッピング】
オリーブオイルや以前ご紹介した亜麻仁油などで風味をつけたり、ピンクペッパーなどをちらして色どりをきれいにしても良いでしょう。